テーマ:詩&物語の或る風景(1049)
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なぜだろう。
ふと文章を書こうと思う時に頭に浮かぶのはいつも”優しい気持ち”という言葉。 昼間に桜がひらひらと舞上がってきたマンションのベランダはもう夜の闇の中。 遠くで洗濯機の音が、部屋の空気をほんの少しだけあたたかくしてくれる。 人生って不思議だな、と思う。 身の回りにこんなにたくさんの人が溢れていて、たくさんの人と心を交わしている つもりが、いつしか一人っきりで、こうしてパソコンに向かう。 この扉の向こうにはたくさんのあたたかい人たちが待っているような気がしても、 なかなかその取っ手に手を伸ばすことができない。 僕は引きこもりではないけれど、毎日を精一杯駆け抜けていると、 突然、自分の心と身体が離れていっているような、そんな感覚に陥ることがある。 自分の立てた目標と、会社のため、みんなのためを思って走っていたつもりが、 ふとそうなのか、と思ってしまう。そんなすれ違いの感覚。 輝く太陽に向けて、スキーのジャンプ台から飛び出したら、心だけが飛び続け、 自分の身体はやがて白銀の地面へとゆっくりと降下していく。そんな感覚。 そんな時に自分の心を暖めてくれる魔法の言葉が”優しい気持ち”。 それは目の前の現実を何一つ解決してはくれない。 心と身体の軌道は、はるかにすれ違ったまま。 けれど、自分の心の中に、言葉にするなら”希望”という光を照らしてくれる。 きっと誰もがその光を携えて人生を生きている。そう思える。 だから僕はその光で心を満たしながら、空を見上げることができる。 そして思う。明日もまた生きていこう。と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 9, 2010 10:43:49 PM
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