「アヒルと鴨のコインロッカー」を見て。
アヒルと鴨のコインロッカーhttp://www.ahiru-kamo.jp/という映画をDVDで見た。アヒルと鴨のコインロッカー映画って言うのは素敵な経験を与えてくれるものだなぁと思う。もしこの映画がなかったら、これからの先の人生は少しだけ味気ないものになっていたような気がする。---人生を変えるほどの切なさが、ここにある。DVDの表にはそう書いてあった。そんな事あるのかな、そう思って、一度は手にしてまた戻して、次の日に行ったら、そのお店の全部借りられてたので、うーん。。やっぱり一度はトライして見るべきか、と思って連休前の金曜日に借りた。この映画ではボブ・ディランの「風に吹かれて」が何度も流れる。不朽の名曲、らしいが残念ながら自分は知らなかった。けれど、この映画を見て、更にこの曲について調べると、それが不朽の名曲である意味がわかったように思います。http://blog.so-net.ne.jp/debdylan1966/2007-11-18http://www.imageforum.co.jp/dylan/intro/index.htmlアメリカが苦悩を続けた、キューバ危機、ベトナム戦争、そしてケネディー大統領の暗殺、キング牧師、そしてロックンロール。。そんな時代の声を代弁するような曲だと思う。映画のプロモーションを見ると、歌詞の中から特に3番のこの部分が出てくる。 How many deaths will it take till he knows That too many people have died ? The answer, my friend, is blowin' in the wind The answer is blowin' in the wind. 一体どれだけ多くのヒトが犠牲になればわかるんだろう? 答えは。。そう、風の中にあるんだ。。映画では特にこの歌詞への想いが涙となって映っている。この歌詞の中には、未熟だった青年が大人になるためにやるべきことを探しているようにも取れるし、アメリカという大国の迷走の中での未来を探す姿にも取れるし、時代に流される中でうつむいてしまっている人々の心に希望と反省を促す曲のようにも見える。 Yes, 'n' how many years can some people exist Before they're allowed to be free ? Yes, 'n' how many times can a man turn his head Pretending he just doesn't see ? The answer, my friend, is blowin' in the wind The answer is blowin' in the wind. どれだけ生きてきたのなら、人は自由になれるというのだろう。 一体どれくらい人は、都合の悪い事に顔を背けていられるのだろう。 答えは。。そう、風の中にあるんだ。。この歌詞の言葉は当時の時代を背負い、そして今なお新しいと思う。今の時代はきっと迷走や不安を抱えたあの頃の世界とはすっかり変わってきているような気がしているけれど、結局あの頃の時代と同じ迷走を心の中では繰り返しているに過ぎないのではないか、という気持ちになる。目の前のことに立ち向かっていく事の強さと、大切さ、そして、それができない悔しさを、この映画の中に感じた。--今となっては伝説の人たちや出来事、というのを最近は良く聞くような気がする。それは、時代の中で生み出されたものであって、例えばまったく同じ事をその時代でなく、今やったのなら、きっと伝説にはならなかっただろう。それならば今の時代の伝説とは何なのか?それはオリジナリティと、瞬間性ではないかと思う。今まで誰もやらなかった事、そして今後もできないであろう事。その時にしか起こりえない事。今は情報が行き渡りすぎて誰もがうまくいったことを真似して、すぐに複製ができあがり、大量生産のような画一性となってしまう。それを守るための著作権などではない、偶然性を起こす事。それが今の時代の伝説の要素の一つではないかと思う。