カテゴリ:本
最近五木寛之さんの本をよく読みます。 超有名人ですが、この人の小説は「青春の門 -筑豊編-」以外読んだことないんですよねえ。しかも今読んでるのも小説ちゃうし。。 最近の五木さんは、長い間生きてきた中で、人間の本質、日本の本質的なものにより大きな関心を寄せるようになっています。
講談社から「日本人のこころ」と題したシリーズ本が6冊出ています。これまで仕事であれプライベートであれまさに日本中を旅してきた著者が、表面には現れないまま忘れ去られようとしている日本の原風景を私たちに教えてくれます。今見つけておかなければもうすぐ消えてしまう、そんな危機感さえ感じます。 いわゆる「3丁目の夕日」的なノスタルジックで和やかなものではないです。(もちろん好きですけど) もっとおどろおどろしいものも含めて、日本人の本当に根っこにあるもの、光の影になって見えなかったところに踏み込もうとしています。本人が十分に消化理解した上でものを書いているというよりは、生の印象に近いので読んでいるこちらも一緒に考えさせられます。
第1巻 宗教都市「大阪」と前衛都市「京都」 え?と思う人も多いでしょう。読むとなるほどなあと思います。(ピンとこない所もありますが) 京都に住めてよかったとも思いますが、洗練されすぎた都市文化というものは僕のような単純な人間にはちょっとなじみにくいな、とも思います。 第2巻 九州の隠れ念仏と東北の隠し念仏 ちょっと怖いですね。しかしなんらよこしまなものではなく、その純粋な信仰心は日本人の宗教観、信仰心に大きく結びついているのだと感じました。でも、他人が絶対にうかがい知れない心の奥底を考えると、やっぱり不気味です。 第3巻 信仰の共和国・金沢、生と死の結界・大和 3巻以降はまだ読んでません。 第4巻 エタ、非人、サンカと呼ばれた漂泊の民がつくった豊饒な日本文化の原郷への旅 第5巻 五木寛之の原点・博多、神と人と自然が共生する島・沖縄 第6巻 原日本人の豊かな生き方。 深層の世界を語り合った、17人との対話
これとは別に、講談社が五木寛之限定(?)の「五木寛之 こころの新書」シリーズを発刊しています。上記の6冊の内容も入っていて、それ以外に五木さんがこれまで書いてきた文章も新たにまとめられているようです。値段はこっちの方が安いです。
「男が女を感じる瞬間」、、、気になりますねえ。笑
五木さんが今関心を持っている仏教、民俗学、日本史などは、司馬遼太郎さんも相当造詣が深く、「街道をゆく」などでも読んでいましたが、司馬さんという人ははとても合理的な考え方をしているせいか割り切ってスパーっと書かれています。けれども五木さんはどこかモヤモヤした感覚的な捉え方をしていますね。 教科書にのらない、こうした裏日本史的なテーマが人気作家によって堂々と書かれるようになったのは、時代がそうしたものを求めているからでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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