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きらめき星の世界

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2006.12.28
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うすぐ2006年も終わりますね。

今日は夜から雪が降るかもしれません。豪雪地帯に住んでいるわけではないので、雪と聞くとつい心がうきうきして。。

 

先日映画の紹介をしたときに塩野七生さんの文章を引用しました。このお方、1937年生まれなのでもう69歳!?だと思うのですが、文章だけ読んでいるととても想像できません。40代かなーと。ふと略歴を読んでみてびっくりしてしまいました。心の方はよっぽど若いようです。

たいていの方はご存知かと。。

「ローマ人の物語」は新書で出た頃からはまってました。今月遂に最終巻が出ましたね。つまりローマは滅びたのです。(西ローマ帝国の滅亡をもって終わりのようです。東ローマの方はさらに1000年近く続きますからね~)でもまだ最終巻まで読み終わってません・・。

 

      hgfn.JPG(文庫版)

 

彼女の本は読んでいるととにかく面白いです。面白くないという人の気がしれません。主に西洋の歴史を題材とした小説を書いています。日本と直接関係ない話なので本来ならそこまで話題にならない気がしますが・・。

なんで、面白いのか。
おそらく、彼女の主観が入りまくってるからです。。

それってだめじゃん! ではなくて、だから面白いんじゃないでしょうか。

登場人物たちはだれも彼女の思い入れがたっぷりであり、そのせいで大昔の人物であっても作品の中ではとても生き生きと動き回っているのです。好意的に書いているせいもあるでしょうが、その生き方が読み手の共感を誘わずにはいられない。

楽しそうに話してる人の話って、聞いているとついついこっちも楽しくなってきませんか?

 

男性の主人公について言うなら、作品を書いている最中、おそらく塩野七生はその男性に惚れてます。そう思わせるような熱々な言葉の数々。逆に好きでない男への批判は相当です。(怖~い。汗)

女性については、ところどころ辛らつな批評が見られるのはやはり同性だからでしょうが、同じ女性だからこそその描き方に男性には書けない生生しさがあります。

 

買ったその日のうちに読まないと気がすまない、というより先が気になって眠れない作家さんはあんまりいません。

 

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「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」
かなり初期の作品です。でも今と比べてそんなに書き方変化してない気がする。。
チェーザレ・ボルジア - イタリア統一を目指した若き青年。自身の勢力を拡大するためには毒薬を使って敵を暗殺する、といったことも平気でやってのける恐ろしい男として西欧ではあんまり評判がよくないようです。 ですが、塩野七生が書くとなんてりりしい若者なんでしょう。自分の信ずる道を貫く孤高の人。優雅なる冷酷という言葉に全て凝縮されている。織田信長にちょっと近いものを感じる。

 

ko.JPG

 

「サイレント・マイノリティ」
男の生き様としてかっこいいと思ったもう1冊。

(裏表紙より) 
みずからの置かれた状況を冷静に把握し、果たすべき役割を完璧に遂行する。しかも皮相で浅薄な価値観に捉われることなく、すべてを醒めた眼で、相対的に見ることができる人間-。それが行動的ペシミスト。「声なき少数派」である彼らの代表として、大声でまかりとおっている「多数派」の「正義」を排し、その真髄と美学を、イタリア・フィレンツェで綴ったメッセージが本書である。  

ここでも色んな人物が出てきます。司馬遼太郎を読んだときもそうなんですが、教科書には全く出てこない人々が次から次へと出てきて、しかもその人生のなんて波乱万丈で豊かなことか。教科書に出ている有名人の経歴って形式的になりすぎていてだから何の興味も惹かないんでしょう。人に興味がもてるようになったのはこのお二人のおかげです。

 

書き出したら案の定止まらなくなりました。まだ先は長いのでここでお茶でも入れて一服するか、せっかくのお休みの時間を削ってしまっては申し訳ないのでどうぞいつか暇な時にでも読んでください。笑

 

お!お付き合いくださるのですか。ありがたい。将来何かの役には立つかもしれませんからね。どうぞお楽しみください。。 

 

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「コンスタンティノープルの陥落」
「ロードス島攻防記」
「レパントの海戦」
東ローマ帝国(ビサンティン帝国)滅亡前後のキリスト教世界と、巨大な勢力として台頭してきたイスラム世界との攻防を描いた3部作。ここでも出てくる男たちのかっこいいこと・・・。

イスラム側の資料が少ないせいもあるのでしょうがやや記述がキリスト教世界側に偏っているのでイスラム世界の人々の行動が少々不気味に見えてしまう。大帝国オスマン・トルコを築いた君主達が一体どんな人間だったのか、もう少し掘り下げてほしかった。

 

01239340.jpg

 

「海の都の物語」
海の上に石を敷き、交易のみでヨーロッパの頂点に登りつめ、1000年の長い間自由と独立を維持し続けた海洋国家ヴェネティアの、誕生から滅亡までの間そこに生きた人びとの長い長い物語。この年月の間に一体どれだけのドラマがあったんだろう。

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「ルネサンスの女たち」
「サロメの乳母の話」
「愛の年代記」
実はこの3冊どれも読んでないんですが、おそらく各々の時代を生きた女性たちに焦点を当てて書いているんだと思います。女性作家ならではの視点は他の作品でも十分感じることができますが、女性ならばこれらの本も感じるところが多いのでは。。

しかしこの方の、人への興味の強さは相当ですね。。もうちょっと紹介を続けます。

 

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イタリアに関する古今東西の話題を書き連ねたエッセイ集。
ヴェネティアのゴンドラは昔は真黒ではなくて様々な装飾に彩られていたそうです。今ではティッシュ・ペーパーに押しやられてしまった感のあるハンカチーフ、昔はお洒落の一つとして大流行していました。最初にハンカチーフを世に広めたのはヴェネティア共和国のファースト・レディでした。18世紀末、トルコのスルタンのもとに届けられた珍しい献上品。美女の献上品はさして珍しくなかったですが、西欧の女性はあまり例がありませんでした。金髪に青い瞳を持ったこのフランスの少女はその一生をスルタンのハーレムの中で終えることになる。その数奇な人生。

やっぱりとにかく面白い。

そして最近読み返したのが先日も取り上げた「人びとのかたち」です。

 

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「人びとのかたち」
短く言うと、彼女が見てきた映画の感想、エッセイ集です。出てくる映画は現代から戦前まで。ようするに彼女が人生の中で見てきた様々な映画の中に描かれている主人公たちがかっこいいか悪いか、好きか嫌いか、さくさくと切っていく。彼女の超主観で。笑 読み返してみたら、映画をよく観るようになったのはこの本の影響だったかしら、とおぼろげな記憶が思い出されました。当時は新書で読んだっけな。

エヴァ・ガードナー、グレタ・ガルボ、オードリー・ヘップバーンにマレーネ・ディートリッヒといった往年の大女優から、ダスティン・ホフマンやロバート・デ・ニーロにエディ・マーフィー。「真夏の夜のジャズ」とアメリカの黄金時代、「アメリカン・ジゴロ」とアメリカ人の男としての生き方、ルキノ・ヴィスコンティの「山猫」とイタリアン・マフィア、フェデリコ・フェリーニの「フェリーニのローマ」、黒澤明の「8月の狂詩曲」、フランシス・F・コッポラの「地獄の黙示録」、まだまだたくさんあるけど興味のある人は読んでみてください。

 

「ローマ人の物語」も彼女が心底惚れこんでいる、ローマ帝国の基礎を築いたユリウス・カエサルを書きたかったがために書いてるように見える。。日本飛び出してイタリア行ってイタリアの男性と結婚して、今もイタリアに住んでいるすごい人です。なんか雑誌の「Foresight」にも連載しているみたいですね。まだまだお元気そうで。。

とりあえずは残っている「ローマ人の物語」を読み終えたいと思います。

 

あと、これが今年最後の日記になりそうですね。今年1年相当色んなことがありました。自分の世界が大きく広がった年でもありました。ネット上でもしかり。このブログを通じて知り合えた方々には本当に感謝しています。どうぞ来年もよろしくお願い致します。また長々と駄文を書き連ねる予定です。ときたま写真もはさみます。2007年もよい年でありますように。

 

 






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Last updated  2007.01.11 20:09:08
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