テーマ:本のある暮らし(3292)
カテゴリ:読書の楽しみ
世の中、どう考えていいのか迷ってしまう本です。
山本譲司氏の初作、「獄窓記」にも衝撃を受けましたが、 今回の衝撃は更に凄かった。 2003年ポプラ社 1500円 「そこは「塀の中の掃き溜め」と言われるところだった。汚物にまみれながら、獄窓から望む勇壮なる那須連山に、幾重にも思いを馳せる。事件への悔悟、残してきた家族への思慕、恩人への弔意、人生への懊悩。そして至ったある決意とは。国会で見えなかったこと。刑務所で見えたこと。秘書給与事件で実刑判決を受けた元衆議院議員が陥った永田町の甘い罠と獄中の真実を描く。 」(楽天ブックス解説) 山本譲司・著「累犯障害者」 2006年・新潮社 1400円 「この世には、刑務所しか居場所がない人々がいる。元国会議員である著者は障害者の起こした事件の現場を訪ね歩き「聾唖者だけの暴力団」「親子で売春婦の障害者」など驚愕の現実を明らかにしていく。目をそらしてはいけない事実に圧倒される傑作ノンフィクション。(工)」(楽天ブックス解説) この本で知ってしまった、悲惨な生活環境が「加害者」を生んでしまう事実と そのような加害者への矯正教育&ケアの必要性への理解。 一方で、犯罪を裁かれ、刑務所にて懲役刑を受けるなら それには相応の「処罰」という要素が入っていて欲しいという本音。 自分の中のこの二つの感情の間で、板ばさみになり考え込んでしまっています。 最近、民営刑務所というものも登場し、 ますます理解するのが難しくなっている司法の世界です。 新刊では、最近加速度がついてきている少年犯罪の厳罰化を 論じているそうですので、こちらも読んでみようと思います。 「少年犯罪厳罰化私はこう考える」 佐藤幹夫 /山本譲司・著 2007年 洋泉社 新書 820円 「厳罰化は少年犯罪を本当に抑止できるのか?犯罪被害者や遺族に対し、十分なケアを保障することにまったく異論はない。ただしそのことと、少年事件の「全体」を冷静に論じることとは別である。本書は、矯正や司法、教育、医療、福祉など、現場の第一線での豊富な実践の経験をもつ書き手が、昨今推し進められる厳罰化の是非にとどまらず、広い見地からの議論を提出しようとしたものである。加害少年は十年後、あるいは二十年後、必ず社会復帰する。そして私たちの隣人となる。どんな隣人となってくれることを私たちは願うか。それが本書の出発点である。」(楽天ブックス解説) 上記の新刊において、矯正教育に関して、 この本「少年A 矯正2500日全記録」草薙厚子・著(文春文庫)で 述べられているのと同じ手法を支持しているかどうかも 気になるところです。 著者の草薙厚子氏は、今新聞の社会面で、 鑑定医から情報を得て著作にて公開したことの是非が問われていますが、 書き手としては非常にパワフルな方と思います。 「獄窓記」は刊行から4年になりますので、そろそろ文庫化を期待したい1冊です。 山本氏の著書はすべて図書館で借りて読みましたが、 文庫になったらぜひ購入し、折々に読み返してゆきたい本です。 楽天トップに戻る シンガポール日記の 目次へ きららん日記の 目次へ ←励みにしてます、お帰りにポチっと♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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