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カテゴリ:健康ニュース
情報技術(IT)製品や化粧品などに幅広く使われ始めたナノ(10億分の1)サイズの物質について、厚生労働省は1日までに、毒性の有無などの安全性を調べる本格的な研究に着手した。
ナノ物質は、ナノテクノロジー(超微細技術)の材料として国主導で産業化が進んでおり、今後急速に日常生活での利用が広がるとみられている。だが健康への影響はよく分かっていない上、分析の仕方も定まっておらず早急に対応する必要があると指摘されていた。このため同省は、研究班で評価手法を開発、動物実験などで体内への吸収状況や病原性を3年計画で検証する。 ナノ物質は1万分の1ミリ(100ナノメートル)以下程度で、原子からDNAぐらいの大きさ。材質は金属や炭素などさまざまで、形状も粒子や管状など多様だ。 IT製品では集積回路の超小型化やパソコン画面を薄くするのに使われ、化粧品では皮膚への浸透力を高めるなどの目的で実用化されている。スポーツ用品の強度や弾力を高めたり、薬を包んでがんなどの病巣を狙って運んだりするなど、多くの分野、用途で有力視されている。 一方、動物に吸入させると複数の臓器や中枢神経系で検出されるといった悪影響の可能性を示す結果も報告されており、安全性は未知数だ。 研究班では、ナノ物質が体に蓄積した場合の計測法や有害性の評価手法を開発。肺や腸、皮膚からの吸収性や、体外への排出状況を調べる。脳や胎児への移行のほか、製品の製造や使用の際にナノ物質にさらされる恐れがあるかどうかも検討する。経済産業省も本年度から同様の研究を本格化している。 厚労省化学物質安全対策室は「現段階で問題が起きているわけではない。日常生活で広く使われるようになったときに備えたい」としている。 (共同通信社) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 5, 2006 05:56:41 AM
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