がんじがらめの世間様に縛られた古い街の中学生だった頃、私はもんたさんの隠れファンでした。
親に知られようもんなら、絶対貶されて怒られるとわかっていたので、ひっそりとね。
なんかこの前買ってしまった昭和のマンガも音楽関係だし、私は多分、ロックンロール! したかったんだな〜。
残念ながら憧れだけで、精神を持ち合わせて無かったので、今現在、普通の人になっているわけですが。
中学校に入学した時、すっごく口の悪い友人と一緒のクラスになりました。
その子とは、小学1年から一緒のクラスだったので、まあまあ仲良しグループではあったのですが、まあとにかく怖かった。だって、ちょっと気分を損ねると、すっごい勢いで口撃してくるんだもん。
割とお勉強できるし、ピアノも上手だし、大人しくしてればいい子なんだけどね…
その子に、ついつい「もんた愛」を語ってしまった私、うちの親よりもすごい勢いで怒られました。
「不良! ピアノやってるくせに、もんたとか信じらんない!!」
…えらい言いがかりやな。
そして同じクラスに、小柄でお顔の可愛い、もんたさんに言われてみればちょっと似てる男子、○○君がいたのですが、
「ちょっと知ってる!? コイツ(私のことね)、○○のファンなんだって〜! チョー貧乏で、チョーみっともない!」
…いや、○○君は家庭の事情で、朝晩新聞配達のアルバイトをしていた勤労13歳だったのですが、なんにも悪いことをしてない同級生に、いきなりビンボーって、そりゃちょっと言い過ぎでしょうよ…
っていうか、私は「もんたファン」であって、○○君、無関係でしょうよ!
老獪なおばちゃんとなった今なら、相手にきちんとわかるように反論出来ますが、当時は相手も自分も13歳。
私が言ったのは、
「お前、大っ嫌い!」
怒りに震えて、ただ一言。
で、言いたい放題人間は、大抵反論に弱い。
いきなり「なんで嫌いとかいうのよ!」と大泣き。
中学生基準では、泣けば被害者、悪者は私…もう、まったく!
…呼び出しは喰らわなかったものの、その後の家庭訪問で、母は担任から
「もうちょっとお友達に思いやりを持てるようになるといいですね」
と言われてました。
小学校の頃からの彼女と私の関係を知ってる母は、「あー、またあの子」と流してくれましたが。
彼女はその後、しっかり進学して、専門職に就いて、いい会社にお勤めしました。
最後に会ったのは、27年前。私が結婚した頃。(なんやかんやで、地元枠が続いていた。古い街あるあるね。)。
「結婚式、出たくないから、その前に会おうよ」(なんだよ、それ)
と言われ、
「お前、幸せな奴が払えよ!」
と、くだを巻く奴に散々奢らされました。
変わってねーなーと思いました。
今はどうしてるのかな…いつのまにか年賀状も来なくなった。そう言えば。
まあ元気で優秀な人には違いない。きっとパワフルに生きているでしょう。
それから…もんたさん似と言われた○○君、君はどこでどうしていますか?
中学卒業の時、「進学せず、芸能界に行く」って劇団の入学許可証を見せてくれたけど、上手く行ったかなあ?
…もんたさんの訃報を聞いて、中学生の頃が鮮やかに甦りました。
思い出は永遠。
もんたさんも、永遠に!