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我が家の鏡には、気前が良い奴と悪い奴がいる。風呂場の鏡は、とても気前が良い。常にボンヤリとしか現実を映さない。
ぼんやりとしたシルエット。おかげで物凄く自己陶酔をさせてくれる。 実際は風呂場の鏡なのでカルキで汚れているだけなのだが、使用者からすると気前が良いとしか言いようが無い。 ちなみに、一番気前が悪いのが手鏡。 醜い。醜い。毛穴まで見えてしまう。そこに温情とか慈悲というものがない。残酷な現実をありのままに映し出すので、目にみかんの汁が入ったかのような超刺激が全身に走るので、手鏡を使用するには覚悟が必要だ。 次に気前が良いのは洗面所の鏡。 ただし気まぐれな奴で、天井の電気の明かりの時は機嫌良いらしく、使用者をそこそこ満足させてくれるが、鏡自身の真上にある丸い白色電球が灯ると途端に機嫌が悪くなる。目の上のタンコブと言わんばかりの機嫌の悪さ。 この鏡を常に機嫌良く頂く為にはタンコブ電球をサーチライト級の明るさの電球を取り付けるしかなさそうだ。眩しくて目が開けられなくなる。すると第三の目もしくは心の目で見るこという事になれば、超刺激が全身を走るという悲劇は無くなるであろう。 しかし、最近一番気前の良いはずの風呂場の鏡の機嫌が大変、悪い。 事の発端はいつも機嫌良く映してくれる鏡を労おうと鏡磨きを買ってきて、とっても綺麗に磨いたところ、どうも鏡の表面を削る物だったらしい。 この日から風呂場鏡の機嫌が悪くなってしまった。私も顔を削られたらとても悲しい。 以来、信用を失った為、家族全員が風呂場に足を踏み入れるたび、鬱状態になって出て来ることとなってしまった。 しかも風呂場の鏡の位置が悪い。座っていれば顔からお腹という誰もが気にする部分を映し出し、立てば立ったで首から下膝までといういや~~~~~な部分をこれみよがしに映してくれる。 うおおおぉぉぉ目が焼ける思いだ。何と言う絶妙な位置。悪意すら感じる。 この鏡を覗き込んで平気な人間はいないであろう。 我が家の鏡は気まぐれが多くて困る。 どうやら、噂によると鏡の信用を取り戻すには長い時間が必要らしい。 いつ機嫌が直ることやら…。出来れば私が鏡を割る前に直って欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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