鋭像
宵の口。上弦の月を撮影している最中に、分厚い雲が空を覆う。それでも、せっかくの連休なのでと、あきらめずに、月面用のMN61を格納し、μ250を架台に載せ、主鏡の裏蓋を外し、外気順応させる。この間副鏡の清掃も軽く行ったので、その成果だけでも確認したい。23時ごろ、雲が晴れてきた。ここ数日に比べ、なんとなくシーイングも落ち着いているような気が。わくわくしながら、モノセントリック8mmで覗いてみると、う~ん、すごい!予想を遥かに超える鋭像が、シーイングによるものなのか、副鏡の清掃によるものか、恐らくは前者が主要因とは思うが、とにかく恐ろしい程の見え味だ。流れる雲を心配しながら、接続したwebカメラなどの機器が外気に順応するのを待つ。そして、撮影。アイピースで拡大するよりも、テレビューのパワーメイトで拡大した程度で,充分な大きさの像が得られる。ついで、HC-1000でDV録画を行うが、これまた、モニタ上で既に、エンケミニマムが時折、スッと見える。撮影後、寒さを忘れて、眼視観望に没頭する。のちに処理した画像、DV再生画像が遥かに及ばない、素晴らしい鋭像がしっかりと脳裏に焼きついた。シープさだけでなく、明るさ(コントラスト)と、ナグラー9mmで見る周囲の衛星が、本当に素晴らしい光景を見せてくれた。そのまま明け方の木星に。こちらはさすがに高度が低く、評価の対象にもならないが、それでも時折鋭い像が見えた。やがて、薄明。雲ひとつないスッキリとした朝焼けだった。