稽古 ~試し割~
土曜日の稽古。 今回は、組手の後、稽古の最後に試し割を行った。 板、瓦、ブロック、バットなど、様々な対象があるが、初心者にも やり易く、また、試し割の本来の目的に適ったものは、やはり板だと 思っている。 試し割の本来の目的は、握り、フォーム、スピードのチェックである。 正直私も、担ぎ出されて「見せもの」として試し割を行ったことも あるが、気乗りのしないまま行った記憶しかない。 板の試し割りでは、持ち手が重要だ。 今回のように、あまり経験のない人が持ってくれる場合、割った後、 板がどのように後方に飛び、落ちるかも計算して割らないと、持ち手に 怪我をさせてしまうこともある。 最初に私が、3枚程を割り、手本とした。 その後、参加者各自が1枚に挑戦。 このとき、少しでも不安を持ってしまうと、余計な力が入り、本来の スピードが出ず、失敗する。 するとまた、次の機会でも緊張してしまう。悪循環に陥る。 たっぷり暗示を掛け、「よし来いっ!!」と、最後に残る一抹の不安を こちらの気合いで飛ばしてやる。 「パカンッ」と、綺麗に割れた時の、上気した顔。 こればかりは、子どもも大人も、性別も関係ない。 小さなことだが、自分の修行成果が確認できる瞬間である。 月曜日の稽古などでも、務めて冷静を装っていた当時、50代後半の メンバーが、帰り際、 「この板、記念に貰っていていいですか?」と尋ねてきたときには 内心、ニヤニヤしてしまったものだ。