三セク・公社整理進む・・・の裏に
この見出しの新聞記事を読みながら、暗澹たる気持ちになった。 あまり興味の無い向きには、「ふ~ん、整理が進んでいるからいいじゃん」 という捉え方もされかねない。 民主党の「仕分け」が機能しているようにも見えてしまう。 これは税金を食いつぶす第3セクターが減って、無駄遣いがなるなくこと では全くない。むしろ、逆の「動き」の一現象である。 悪賢い官僚たちは、近年、新しいタイプの天下り先のつくり方を憶えた。 「官民ファンド」がそれである。 三セクなどは、一応、事業体の形を取っている分、間接的とはいえ経営状態 もバレバレで、とかく国民の批判も浴びやすい。 その点、ファンドとなれば、極論すれば、出資するだけなので、実態が見え にくい。官僚にとっては「効率の良い」天下り先製造である。 産業革新機構(財務省&経済産業省),不動産市場安定化ファンド (国土交通省)そして、農水省が今秋設立を目指している、農林漁業成長 産業化支援機構など、立法される度に、その実施主体として、官民ファンド が続々と増えて行く。 公的資金と民間からの資金を合わせてファンドを組むのだが、この民間の 選定など、滅茶苦茶不透明であり、三セクよりも遥かに悪質である。 財政投融資(ゆうちょを国が勝手に投資)もそうだが、「投資家」として やっていけるレベルの官僚が居ない、いわば、素人が他人の金で勝手に 投資するから、財政が悪化するのである。 20年ほど前、診断士の勉強をしながら、法律に必ず出てくる、 「財政投融資を活用して」というフレーズに、常に違和感を感じていた。 株価上昇を当て込んでの年金運用も、「常に上昇し続ける株」なんて あり得ない「常識」を持てば、正気の沙汰ではない。 官民ファンドも、年金運用同様、国家犯罪である。