稽古 ~約束組手の工夫~
私が稽古を始めた頃には、書店の棚や図書館では、ほとんど見掛けること がなかった空手の技術書。 今は、毎週のように新刊が出る上、ネットなどで流れる情報も多い。 唯我独尊に陥りたくないので、私はメンバーに、色々な道場の見学(体験 入門も含め)や、様々なメディアの情報と、私の指導内容との比較検証を 勧めている。 中には、最年長の師範代格のように、他の道場、キックのジムなどに実際 に入門し、汗を流してみて、比較検証した「リアリスト」も居て、その上 で私と汗を流したい、という結論を出してもらえたことは望外のことであ る上、以後の指導も非常にやり易くなる。 多くの道場で指導され、また、書籍で紹介されている「約束組手」という 稽古方法。 「古来からある」という説もあるが、実際は、琉球から本土に空手(唐手) が紹介されたころ、剣道形や柔道の稽古を参考に作られたとする説に説得 力を感じるのだが。 それはさておき、この約束組手。ほとんど組手や実戦で使えない代物であ ると断言したい。 今週の稽古では、多くある約束組手の「検証方法」とその修正に関する 方法を、メンバーに紹介、実践した。 内容は「門外不出(笑)」なので詳細は記さないが、本人たちも、そして 私自身にとっても非常に興味深い時間だった。 こういう高密度の時間、深い内容の研究が出来るようになった背景には、 もちろん、各メンバーのこのところの著しい成長があるのは当然である。