映画:激動の昭和史 軍閥(1970/東宝)
◆1970年といえば、大阪万博の真っ只中。そのテーマは「人類の進歩と調和」 その8/11にこの作品をぶっこんだ東宝の思いに興味がわく。 通常の戦争映画と異なり、開戦や各作戦に至る政治側にフォーカスした作品で、 もちろんフィクションの範疇に入るとはいえ、東条英機役に小林桂樹を据える ことで、交渉で日米関係の打開を図ろうとする東條が、開戦後は官僚のトップ として、徐々に判断が歪んでいく様が丁寧に描かれている。 終盤、特攻隊の生き残り(黒沢年男)が新聞記者(加山雄三)に、 「戦争を煽ったのはお前らじゃないか!」と叫ぶ下りは、まさに成人してから 私が抱いた大東亜戦争史観と合致しており、この当時、こんな映画があった ことに、格別の思いを抱いた。 この映画を入口に、大東亜戦争の史実を検証することも有意義ではないか?