年末格闘技TV観戦
◆ここ数年、あまり真面目に観ていなかったが、 今年は注目のカードが幾つかあったので、しっかりTV観戦。・ボクシング:井岡一翔vs田中恒成 総合格闘技人気の中で、なぜボクシングが未だ人気なのか? が良く分かった一戦。 攻撃力だけではなく、どちらもカウンターを狙える高度な 技術を持った選手同士が「ミスをしたら終わり」という ヒリヒリする緊張感を最後まで維持し続けた。 巧者井岡の顔が腫れていたのは、井岡が中距離~接近戦から 逃げずに、自分の技量が確実に発揮できる間合いに踏ん張り 続けた証左である。 最後にレフリーがTKOを宣言したのは、良かったと思う。 あのレベル同士で、続行させたら田中の選手生命に関わる 結果になっただろうと予想するからである。・総合:堀口恭司vs朝倉海 昨年夏、まだ番狂わせと言われた朝倉の勝利。そのリベンジ マッチとなった今回、私は堀口の圧勝を予想していた。 朝倉兄弟は、共に素晴らしい「勘」を持っており、さらに 特定の格闘技に拘らず、動画サイトでも観れる通り、どんな 格闘技からも「使える技」を吸収しようとしており、今回、 兄の未来は動画でも練習風景を公開していた前蹴りを上手く 応用して勝利していた。 対する堀口は、伝統派空手を現在でも並行して稽古しており、 今回、朝倉海に有効だったカーフキックなどは、昭和にタイム スリップしたかと錯覚させるような、半世紀前の、極真の 第1回世界大会で廬山選手が使っていたローキックのようだった。 近年、相手の太腿を狙うローキックが多い中、脚の構造そのものを 痛めつける技術が令和でも活用されているのは興味深い。 結局、堀口選手は多くのコーチをつけながら、有効な技術を 自身が修行してきた伝統空手のフィルタも活用して身に付けるため、 習得~応用、留意すべき点がストンと身体に落とし込めるのだろう。 技術的・精神的の軸の有無が勝敗を分けたように見えた。