YouTubeで、今は亡き古今亭志ん生、金原亭馬生、古今亭志ん朝の親子を好んで聴きます。
1965年、2年先輩のKさんが家業を継ぐためIHIを退社する前に、「千早ぶる」を披露して、笑って貰えたことがありました。
千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは
熊さんが物知りのご隠居の処に行き、詩の意味を教えてくれと頼みますと、珍妙な解釈をするのです。
相撲取りの立田川が、実力・人気共に秀でて来て、自信も出来ましたので、遊郭に遊びに行きましたが、お目当ての千早太夫が相手をしてくれないので、妹分の神代太夫にも振られてしまいます。
がっかりして相撲から引退して郷里に帰り、家業の豆腐屋を継ぎます。
其処へ、落ちぶれた女が訪れて、空腹なのでオカラを恵んでくれと頼むのです。
よく見ますと、それは千早大夫の成れの果てでした。
昔の恨みもあって、どんと付き出しますと、体力も無いので、よろよろと井戸に落ちて亡くなってしまったと言うのです。
熊さんは「分かりましたが、最後の「とは」はどういう意味ですか?」と聞くので、困ったご隠居、「とは」は千早太夫の本名だと答えるのです。