テーマ:気になったニュース(31015)
カテゴリ:Opinion
世の中の趨勢に遅れているのか、未だ紙媒体の新聞に拘泥して購読を続けています。 現在は読売新聞3ヶ月購読中ですが、私の通例は東京新聞6ヶ月、朝日新聞3ヶ月購読を繰り返しているだけです。良識派とされる朝日新聞が廃業して発行されなくなる懸念があるからですが・・・ しかし、紙媒体の新聞購読者数は大きく減らしている様です。 日本新聞協会が発表した2022年10月時点の新聞発行部数は3084万部。新聞発行のピークは1997年で、その時の総発行部数は5376万部。25年の間に2300万部余りが減少した。読売新聞は「発行部数世界一」でギネス記録にも認定され、嘗て発行部数1000万部を超えていた。 新聞の発行部数の減少が目立ち始めたのは2008年頃、1%を超える減少を記録した。それ以降、減少率は急速に拡大し、2014年には3.5%減、2018年には5.3%減、2020年には7.2%減となった。このペースで減りつづければ、20年以内に紙の新聞は消滅してしまう。 その後も紙の凋落が止まらなくなったのは、スマホが進化を遂げ続けたからだ。今やスマホは「電話器」としての範疇を超え、「情報端末」や「カメラ」として機能が求められる複合機器になった。それをほぼ全員が携帯して持ち歩く社会になったわけだ。それが情報パッケージとしての紙の新聞を凋落へと追いやった。 インターネットの普及と常時定額接続など情報通信インフラの劇的な進化も背景にあったのは言うまでもない。 日本新聞協会の統計で「1世帯あたりの部数」を見ると0.53部なので、つまり平均では2世帯に1部ということになる。もちろん高齢者やビジネスマンには複数部数を購読している人もいるから、実際には新聞を購読していない世帯は5割を超えるだろう。 電子版の主軸は横書きのニュースサイトが主流だ。しかも、日経新聞などは紙の新聞よりもネットに記事を先に流す「デジタル・ファースト」を強めていて、横書きニュースサイトが「新聞」の中心になり、紙の新聞はまったく性格が異なる「別のメディア」と言っていい。 しばしば指摘されるように、新聞紙大の一覧性の高さは、どんなにパソコン画面が大きくなってもかなわない。紙の新聞に親しんで人なら分かる様に、情報を短時間で把握するツールとして圧倒的に有利だ。勿論、これも「慣れ」の問題だとも言えるが、紙の新聞の捨てがたい機能のひとつだろう。 また、ネットメディアならではの機能として、読者個人の関心に応じたニュースが優先的に表示される仕組みが広がっている。更にSNSになれば、もはや自身の意見に近い意見が多く表示され、「友人」になる人も情報の指向性では「似たもの同士」が集まっていく傾向が強い。もしかすると、今、世界で起きている「分断」は情報の伝わり方の変化が大きな要因になっているのではないか。 2022年12月、米連邦議会で警官隊と衝突するトランプ大統領(当時)の支持者は、トランプ氏の言説を信じて疑わない。それも少数の人たちではなく、国民を二分することになっている。似たような「分断」は英国のEU離脱の国民投票や、ブラジルの大統領選を巡る暴動事件などにも表れている。人々の情報の取り方の変化が、不寛容な世論を拡大させ、社会の分断を加速させているのではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.10 07:33:07
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