テーマ:気になる技術動向(1298)
カテゴリ:Technology
F2後継機としての高性能ステルス戦闘機F3の開発が進められています。 日本で高出力・高性能であるファンエンジンに成功、防衛企業IHIは2018年に推力15t級「XF9-1」高出力・高性能エンジン開発に成功、日本主導の戦闘機開発が可能となりました。 国産エンジンを次期戦闘機に積むことは日本の悲願で、F2戦闘機を日米共同開発した際は、日本の技術が足りずアメリカ製エンジンを購入せざるを得なかったのです。 自分で造れないものがありますと交渉にも弱くなりますが、XF9開発に成功したことで自信を持つことが出来ますし、高性能レーダーも、F2戦闘機開発の頃から日本に強みのある技術だとしています。 今回の開発でも当初はアメリカ企業の協力を得る方向で検討していて、2020年12月、アメリカのロッキード・マーチン社を次期戦闘機の支援候補企業に選定。日本主導の開発としつつ、アメリカ企業の協力を得ることで、コスト上昇やスケジュール遅延などのリスクを低減するのが目的だったのでした。 一方、イギリスとイタリアでは、2018年から次期戦闘機の計画が動き出しており、開発目標時期は、2035年を目指す日本と同じで、防衛省は「日本とイギリスは、エンジン技術協力」を進めていたから、共同開発の議論がトントン拍子で進んでいった様です。 イギリスは財政事情もあり、日本と組まなければ財政当局が首を縦に振らない事情もあり、イギリスが当時からパートナーのイタリアを連れて来たとのことで、日英伊の共同開発で合意。アメリカ企業とは契約を結ばないことになった。 現状アメリカは日本にとって唯一の軍事同盟国ですが、嘗て1980年代、F2戦闘機の開発計画が持ち上がった際、日本独自の開発を目指したが、日米経済摩擦を背景にアメリカ議会の介入を招き、結局はアメリカのF16をベースにした日米共同開発を受け入れざるを得なかった歴史があります。 防衛省幹部は「如何に方向性を『日米』から『日英伊』にシフトしていくか、慎重に慎重を重ねて交渉に当たってきた」と打ち明けています。 近年、アメリカには、次世代戦闘機開発について明確な構想がなく、このままアメリカ頼みを続けても、計画が漂流する懸念があった。仮にアメリカ企業の協力を得た場合でも、戦闘機の頭脳にあたるような重要な技術は、「ブラックボックス」が残る可能性があり、日本が改修出来なくなる怖れもあったのです。 更に、ロシアによるウクライナ侵略で、アメリカ軍事産業に特需が発生し、生産ラインを集中させるようになったこともあり、日本は上手くアメリカからイギリス・イタリアとの協力へとシフトすることが出来た様です。 嘗てと比べると、日米軍事同盟を含めて日米関係が成熟した証とも言えるのか、アメリカ側が日本の選択を尊重しているように見えます。 最終的にアメリカとは、次期戦闘機と連携する無人機や、アメリカ製の戦闘機との相互運用性の面で引き続き協力が続くことになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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