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2018年11月07日
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うちの店の前に動かない鳥がいる、と
ランドセルを背負った男の子が入ってきました。

小さな鳥です。グレーの体と黒い頭。
手で体を包み込んでも、羽を広げることもなく、
逃げる様子もありません。

うちで引き取ることになるのか、と思ったら、
男の子は自分が持っていく、と言います。
布に包んであげて、男の子は鳥を両手で包み帰っていきました。

ご近所の方が来て、自分が世話してもよかった、と言います。
その方は弱った捨て犬や捨て猫などばかり拾っては看病し、
世話をしている方なのです。

もう鳥は明日まで生きてない、と私と彼女は思いました。
子供が拾ってきた弱った動物は、
きっと家族に受け入れられることはないと思いました。
どこかに置かれて、寒さに耐え切れないだろう、と。
ご近所さんは残念そうに帰っていきました。

ふと、以前となりに住んでいた子が、近くの子と一緒に通っている、
という話を思い出し、電話帳で調べて電話をかけてみました。
ビンゴ!
電話口に出たお父さんが、子供が鳥を持って帰ってきたと言います。
おばあさまが毛布をだしてくれて、暖を取っていたと言う事。

ご近所で世話をしてもいいという人がいたことを伝えました。

夜、ご近所さんから電話が来て、
男の子とおばあさまが、やはり鳥の世話をして欲しいと来たそうです。

しかし、鳥は間もなく死んだとの事。

注射器で水を飲ませようとしたら口から血が出てきて、
口を開けてみたら舌が切れていたそう。
これでは飲むことも食べることも出来ません。

いま考えれば、店の前にいた時もまるで置物のようにじっと動かず、
人が触っても逃げる様子もなく、もう弱っていたのですね。

皆に心配してもらって、
わずか2~3時間ほどでも皆に手をかけてもらって、
鳥も幸せだったのではないでしょうか。

ご近所さんが葬ってあげたというので、
私も道端の菊やコスモス、「はこべ」を摘んで供えました。





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最終更新日  2018年11月08日 22時26分44秒
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