アメリカと日本
アメリカのシステムと日本のシステムには、いろいろな点で大きな差異があるようです。 ”超アメリカ整理日誌”(2005年8月 ダイヤモンド社刊 野口 悠紀雄著)を読みました。 これは「週刊ダイヤモンド」に隔週連載している「超」整理日誌シリーズからの第10作目です。 1年間のスタンフォード大学の客員教授としてのアメリカ滞在記です。 スタンフォード大学の留学生数は、中国人がトップで韓国人が2位だそうです。 かつて日本人が2位でしたが、ここ10年で逆転されている、とのこと。 西海岸での客員教授生活の準備という身の回りでの米国のしきたり、しくみの逸話から始まります。 日本を離れて違う文化に接すると、日本の長所と欠点がよく見えます。 もちろん、アメリカにも良いところと悪いところがあります。 それを勘案した上で、政治、経済、文化、社会などさまざまなジャンルについて、アメリカの現状を日本の過去と現状を振り返っています。 特に、政治経済学的な視点でアメリカと日本のシステムの差異を分析しているところは、なるほどと思える点が多いと思います。 日本の国際競争力の低下、高コスト構造が是正されないこと、年金制度など社会システムが最大の問題なのに、根本的な解決をしようとせず、その場その場の対応に終始していることなど、国民を幸福にできない日本の政治経済システムに論究しています。 そして、カリフォルニアにはすばらしい自然と道路とインターネットに代表される文明があるが、文化はない。他方で、日本には文化はあるが自然環境は最悪だ、といいます。 それぞれのシステムには一長一短がありますが、これから長所を伸ばすか短所を減らすか考えさせられます。