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世界地図とにらめっこするような仕事に追われています。
大変だけど、世界地図を見ているのは心がのびのびしてきて、 心楽しいものです。 学生時代に、しておいてよかったと心から思うことは、世界のあちこちを旅したこと。 世界地図を見ていると、 その国、その国の空気の匂いや雑踏、人の表情や衣服、 食べ物の味、出会ったできごとが、ばあーっと立ち上ってきて、 心が丸ごとさらわれてしまいます。 時間と体力、柔らかい心があるときに、いろいろな国を体で感じておいて、 ほんとうによかった。 きっと、年頃になったら、子供にもすすめてしまうだろうなぁ。 大学2年生のころ、アルバイトで家庭教師をしていた家のお父さんが、 往年のバックパッカーで、若いころにした世界一周貧乏旅行のアルバムを見せてくれ、 「どこでもいいから、若いうちに外国をみておきなさい」 と背中を押してくれたのがきっかけでした。 最初の外国は、いきなり、ロシア(当時ソ連)。 とてもとてもシベリア鉄道にあこがれていたのと、 シルクロードを見たかったのです。 なぜ、アメリカやヨーロッパでなく、かの地を選んだかというのは、 いろいろ理由はあるのですが、 外国へ行くということに対して、かなり大げさな覚悟をしていて (なにしろ、外国は初めてですから) 最初で最後かもしれない、くらいに思っていて、 これを見なきゃ死ねない、くらいの場所を選んだというのがあります。 「ドバッツァアジーン」……21歳になったばかりの夏、1ヶ月ほどの旅は まさに、私の世界観を大きく変える旅となりました。 それから旅にとりつかれ、アルバイトに勢を出しては、 インド、アメリカ、メキシコ、ブラジルと巡りました。 当時、「地球の歩き方」シリーズが創刊されて話題になっていて、 少し前には沢木耕太郎さんの「深夜特急」がベストセラーになっていたりして、 HISが力を伸ばし初めていたおかげで格安航空券が手に入るようになって、 円高で外国滞在がリーズナブルになり…… いろいろな意味で世界旅行に追い風が吹いていて、 私のような学生はあちこちにいたんですが。 行っておいて、ほんとうによかった……と思う半面、 ちょっと油断すると、どこか遠くから吹いてくる風に呼ばれてしまう。 いまこの毎日も、いつもどこかへ向かう長い旅の途中のような気がして。 若いころに一度でも、大地に体をこすり付けるような旅をしてしまうと、 一生、旅人が心に居座り続けてしまうのかもしれません。 どうやら、もう、永遠に大人にはなれなそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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