317708 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

沢木遥の「幸せ力をつける練習日記」

沢木遥の「幸せ力をつける練習日記」

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010.05.13
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
”母性”をテーマにしたドラマが同時に放映。

「Mother」(日テレ=放映中)と、「八日目の蝉」(NHK=5月4日放映終了)。

どちらも、子供を誘拐しての逃亡劇という相似形のシチュエーション。
「Mother」は小学校の女教師(松雪泰子)が、親に虐待される教え子を誘拐し逃亡、「八日目の蝉」の方は女(檀れい)が不倫相手の家にしのび込み、赤ちゃんを盗んで逃亡――。

この二つのドラマ、できは「八日目の蝉」のほうが格段によかった(まだ「Mather」は放映中だが)。近年秀逸のできばえだったと思う。何度も涙をさそわれたし、ついに捕まり、娘と引き離されるシーンは胸がつまった。

シチュエーションを冷静に考えれば、「Mother」の主人公の行動の方が圧倒的に同情できる。少女は実の親に虐待されているのだし、実母はその子いなくなってもせいせいといった雰囲気。松雪さんの行動は道徳的にはダメだがその子からみれば”正義の味方”だ。

それにひきかえ、檀れい演じる女の方は、不倫相手の男は最低だがその奥さんには何の罪もない。物心もつかない赤ちゃんを奪い、本名と違う名前で呼び、逃亡生活に巻き込み、衛生状態が悪い場所で過ごしたり、宗教団体の施設で過ごしたり。あのまま逃げ続けても小学校にも行けなかったかもしれない。同情の余地はまったくない。

なのになのに、なぜ、「八日目の蝉」のほうが感情移入できたのか。

ひとつには、「Mother」は松雪泰子がミスキャストだったと思う。芸風が都会的でクールなので、「救急病棟24時」の世をすねた女医役などはぴったりの役どころだったが、こういう泥臭い感じの役はどうも合わないようだ。

そして「Mother」は説明しすぎ。なぜ教え子に同情し、誘拐し、自分のキャリアをなげうっても逃亡するのか。それを、自分が実は親に捨てられ施設で育った経験があるとか、養親となかなかなじめなかったとか、背景を少しずつ出していくことで理由付けしようとするのだが、どうも”とってつけた”感がいなめない。

母性は、クールさ冷静さ、論理、説明といったものと対極にあるからだ。

母の愛は、発作的で、身勝手で、押し付けがましく、ご都合主義。
いつも子供が心配で、自分なんかどうなってもいい、むしょうにいとおしい、ただかわいい。こみあげてくる思い。

檀れいが、娘の手を引いて宗教施設から逃げるシーン。ぐずぐず泣く娘に思わず「うるさい!」と怒鳴ってしまい、ハッとして抱きかかえて走って逃げる。

ついに捕まり、引き離されるシーンで思わず、「その子はまだ朝ごはんを食べていないんですっ!」と叫ぶ――。

この感じ、「分かるー」と言ってしまう人は多いんじゃないだろうか。このトンチンカンさ加減が、母の愛なのだと思う。どうしようもない、おろかな愛。

実母の描き方もよかった。誘拐された娘は成長し、憎い女と同じように不実の子をみごもってしまう。その告白に思わず娘の頬を打つ。娘は犯人を巡る旅へ。帰路、家に電話し「やはり子供を産む」と母に宣言する。「もう、どうでもいいから……、帰ってらっしゃい」と涙を流し、すべてを受け入れる。それもやはり理屈なき、母の愛だろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.05.13 18:36:20
コメント(0) | コメントを書く


PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

沢木遥

沢木遥

Favorite Blog

かわいいよりおもし… にわとりのあたまさん

凌ちゃんマン のの0206さん
●尾崎友俐● ◇尾崎'友俐◇さん
島唄の楽園万華鏡@… 島パラさん
なかむの起業日記 nakamu-hiromiさん

Comments

 背番号のないエース0829@ Re:岡田有希子と86年のわたし(09/11) 「十月の人魚」に、上記の内容について記…
 ニューシングル@ エキサイト エキサイトブログにも結構細かいアクセス…
 沢木遥@ Re[1]:恋愛における「人としての道理」とは(05/12) StephaniEさん >やっかいなのは、結婚…
 StephaniE@ Re:恋愛における「人としての道理」とは(05/12) 所詮といってしまってはなんですが、恋愛…
 ぱんたか@ Re:復活(08/14)  お元気でしたか、  偶々、『たまたま…

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.
X