電車に落雷
このところの、天候の不順はどうだろう。梅雨のようだった8月が終わったら、厳しい残暑。そうかと思えば、昨日は大荒れ。落雷で山の手線や中央線などの都心の電車が止まったなんて、かなり珍しいことじゃないだろうか。だいたい、電車には避雷針がないのだろうか。夜の中央線はすさまじかった。いつもに増してぎゅうぎゅうで、立っているのもやっと。それなのに、落雷の影響によるダイヤの乱れで、駅でないところに何度も止まっては、「しばらくお待ち下さい」とアナウンスが入る。一駅一駅、まるで何かの修行のようにノロノロと、動いては、止まり。それでなくても遅い各駅停車で、目指すは新宿から八王子よりさらに向こうの駅。いったいいつになったら着くのだろう……。吉祥寺あたりで眩暈がしてきて、気絶するかと思ったが、どうにか持ちこたえ、ようやく、ようやく駅についた。よろよろと足を引きずるようにしてエスカレーターを上がって、自宅の最寄りの駅前に着いたら、なぜか無性に懐かしい気持ちがこみ上げてきた。思わず、深呼吸。ああ空気がおいしい、と思った。いつもの家なのに、長い旅からふるさとへ帰ったようで、なにやらしみじみとする。日常の感覚のあわいというのも、おもしろいものだな。