|
カテゴリ:ニュース
私もやって欲しいですね!! 万博会場中、「競争率が一番高い」と言われる場所はどこか。企業館でも出し物が派手な大国のパビリオンでもない。意外にもフィリピン館との答えが多い。 パビリオンに入って歩く床のフローリングは、ココナツの材木を処理したもので、万博のために開発された。左手にある球体はココナツをイメージしたもの。外側には、ココナツの実の堅い殻から切り出したタイル大のパネル7万6000枚がはられている。 館内にある大きな球体「香りの繭(まゆ)」で受けられるフィリピン式マッサージ「ヒロット」が人気なのだ。その心地よさを体験できるのは、1日10万人超の入場者中、わずか55人という。冷凍マンモスやロボットのショー以上に“狭き門”だ。無料ということもあって、万博会場が開場すると、「すぐに予約でいっぱいになる」(パビリオン・マネジャーのクリスティーナ・フロレスさん)人気ぶりだ。 □ ■ 繭の直径は7メートルだが、パビリオンの天井近くまで迫っているので実際より大きく見える。2層構造の2階でヒロットが行われている。予約時にマッサージしてほしい部位を選ぶ仕組みで、職業柄、肩こりがひどいため首・肩でお願いする。予約時間に2階に上がると、照明も暗めで、自然に呼吸も深くなり、会話さえはばかられる。イスに座ると、マッサージ師の女性が背中側からかき抱くように手を伸ばす。ハーブ入りバージン・オイルを使って頭からマッサージが始まった。 ツボを刺激しながら、円を描くように女性の手が動き、後頭部、首、首の付け根、肩甲骨、腰のあたりまでくまなくマッサージしてくれる。血行が良くなって筋肉が徐々に温かくなるのが分かる。この間15分。充実感がいっぱいで、もっと長いと感じてしまう。 それもそのはず。「マンギヒロット」と呼ばれるマッサージ師はすべてフィリピン屈指の癒やしリゾート施設「ザ・ファーム・アット・サン・ベニート」とマクタン島の「シャングリラ・リゾート」から来ているプロばかり。 □ ■ ヒロットは当地の民間医療で言う「ピレイ」と「ラミグ」の状態から人体を解放することを目指す。ピレイとは神経や血管がふさがった状態、ラミグは筋肉や関節が冷えた状態をいう。 フィリピン館のアラセリ・ソリアノ館長は「フィリピン人にとってヒロットはとても大切。神経や筋肉の痛みを取り除き、リラックスできるからです。私も母国にいる間は1週間に2回は行っています」と話す。 丁寧なマッサージだけに受け入れが1日55人に絞られるのは致し方ない。残念ながら予約にあぶれても、繭の1階部分では各種エッセンス・オイルの芳香を自由に楽しむことができる。 フィリピンの国花サンパギータ、レモングラス、「ラナ」と呼ばれるココナツのバージン・オイルなどがある。そのおかげで、繭の中はエキゾチックな香りが充満している。万博会場の混雑をしばし忘れて、リラックスしてみてはいかが。 写真=フィリピン館内の球体「香りの繭」2階で受けられるフィリピン式マッサージ「ヒロット」 ヒロット 「位置を整える」意で、元来、伝統的な助産師を指していた。助産師は、村々で出産前から妊婦の面倒を見て出産がスムーズになるよう腹などをマッサージしていた。出産に立ち会うのはもちろん、その後も子育てのアドバイスなどを行っていた。ここから健康のため血行を整えるマッサージ自体も意味するようになったと見られる。比館でのヒロットは大半の時間帯で当日午前9時からのみ予約可。 ★BS blog Ranking お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ニュース] カテゴリの最新記事
|