カテゴリ:盲導犬事件
動物も被害者です。アメリカ・オレゴン州で動物も「被害者」とみなす法案が通過する7月28日に埼玉県さいたま市で起きた痛ましい事件になんともやりきれない気持ちになった人は多いだろう。盲導犬のラブラドルレトリバー、オスカーさん(オス・9歳)が、全盲の飼い主男性を補助しながら川口市の職場に移動中、何者かに腰のあたりをフォークのようなもので刺されて怪我をしたというあの事件だ。 警察は何者かが意図的に危害を加えたとみて、器物損壊の疑いで捜査しているという。オスカーさんは盲導犬として訓練されており、出血するほど刺されて痛かっただろうにぐっと耐えて吠えなかったという。 動物を虐待した犯人が捕まっても、現在の日本の法律では動物愛護法ではとても罪が軽く、それ以上の法となると、器物破損(器物損壊)罪としてしか罪に問うことは出来ないという。動物はモノとして扱われてしまうのだ。 一方アメリカではこんな法案が通過したという。オレゴン州の最高裁が、飼い主が扱う(または酷使する)動物を単なる所有物(器物)ではなく、それ以上の者としてみなすというものだ。この法案によって、ひどい扱いを受けた動物は法的な”被害者”とみなされ、虐待から守られるべき対象となる。 この法案は、ある男が自分の家の敷地内で飼っていた20頭の馬とヤギを餓死させ、有罪となった事件の裁判がきっかけで成立した。 裁判官は独自の裁量で、動物たち一頭一頭が“被害者”であることに注目し、動物たちに対する第二級飼育放棄に当たるという判決を下した。 だが、被告アーノルド・ニックスが最初に有罪を宣告された2009年には、これは法的には受け入れられなかった。ニックスは、飼っている動物は法的には飼い主の財産であって、それに対して“被害者”という言葉は適用されないとして争ったのだ。 しかし、今月の公判ではこの言葉はちゃんと適用されている。動物も犯罪の被害者であることをきちんと認識するために、「これはまさに良識的な法案である。」そう語るのは、同州ポートランドにある動物法的保護基金の代理人ローラ・ダン氏だ。この法案により、オレゴン州では、動物を虐待した被告に対してより長い実刑判決が出ることになるだろう。 動物を家族の一員として暮らしている人がいる。その一報で無責任な飼い方で動物のみならず周りの人に迷惑をかける飼い主も存在する。 動物がモノ以上の存在となれば、心無い人により虐待されることも減るかもしれない。また、飼い主は自分の所有する動物が、守られるという権利を与えられるわけだが、同様にきちんと飼育するという責任もこれまで以上に大きくなる。それにより安易に動物を飼って手放すという行為が減るのなら、日本も飼育動物に対する法律を見直すべきなのかもしれない。 https://www.youtube.com/watch?v=rsnJYgRWfZQ&feature=player_embedded 刺されてもほえず さいたま市に住む男性の盲導犬が刺される(14/08/27) ▼あわせて読みたい 心揺さぶられる10の犬の物語 銃乱射事件を目の当たりにして心傷ついた子どもたちを慰めるためやってきた10匹のゴールデンレトリバー犬 人間と動物のやさしい関係。動物たちを救おうとした人々の写真 犬と人間の歴史がわかる古写真(1860年~1971年) 3本足の犬が難病の少年に生きる勇気を与えた。オーウェンとハッチの物語 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.08.29 17:09:17
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