カテゴリ:食べ物
料理の心理学。味付けだけではない。最高の料理に見せるための4つの演出。今日は痛風がえらく軋むのでコメントは控えさせていただきます。_(._.)_ 知っているかとは思うが、食器の形や大きさ、BGM、照明など、食卓のまわりのちょっとした環境がわたしたちの味覚を変えてしまう場合がある。例えば、赤い皿で料理を出されると、食欲が減退する傾向があるという。 【中古】 最高の料理を食べる・つくるパスタ編 / エクスメディア それでは最高の料理とは何だろう? 特別な材料を使った特別な料理、ミディアムレアの極上ステーキ、おばあちゃんのチキンカレー、おふくろ味のラタトゥユなどを思い浮かべるかもしれない。 心理学者のチャールズ・スペンスももちろん料理のことを考えるが、彼は食器の色や大きさ、食事をする場所のBGM、照明などあらゆることを含めた料理について考える。 オックスフォード大の心理学者であるスペンスは、料理や飲み物を味わうとき、わたしたちのまわりの環境がどのような影響を与えるかについて研究している。その結果、食器の重さや色によって料理が甘く感じたり、しょっぱく感じたりすることがあり、同じ料理でも、長くて説明調の名前がついているほど、人はその料理を楽しむ傾向にあるということがわかったのだ。 スペンスと、オランダのワーゲニンゲン大学の心理学者ベティーナ・ピケラス=フィッツマンによる著書『パーフェクトミール━料理における多感覚科学』では、食事をよりおいしく最高のものにするためのちょっとしたヒントについての研究結果がしるされている。 最高の料理がなにかは、人によって違うが、ある種の共通した特質があり、突きつめると興味深い事実がたくさん出てくる。 1.盛りつけ左のカンジンスキーの「Painting No.201」は、右のサラダの盛りつけのヒントになっている。盛りつけが芸術作品と似ていると、食事をする人はより楽しめる。 どの有能なシェフも同じことを言う。料理の盛りつけ次第で味が大きく変わると。同じ材料をただ皿の上に置いて出したものより、アートのようなきれいな盛りつけにしたほうが食べる人は楽しむことができる。 スペンスによると、サラダをカンジンスキーの絵と似せた盛りつけにすると、よりおいしく感じたという声が多かったという。食器類の形や色も、同様に味覚に影響を与える。一般に、丸く白い皿は甘い味を、黒っぽく角ばった皿は香りや風味をより感じるという。赤い皿は食欲が減退するそうだ。 なぜ、食べ物や飲み物の色を変えると、味覚や風味まで変わってしまうのだろう? ソーヴィニョンブラン(白)のグラスを赤色に着色すると、脳は勝手にメルローの味がすると思い込む。同じ料理でも、違う色の皿に盛りつけると違ったものに見え、味まで変わるような気がするのだ。 黒っぽい長方形の皿に乗った料理は、無意識のうちに塩気のきいたパブ料理と結びつけるだろう。理由はわからないが、人は甘い食べ物を丸いものと関連づけるという。さらに人は赤を危険と結びつける傾向があるため、赤い皿で出された食べ物にはあまり手をつけない説明になるのかもしれない。 2. 照明強い味の料理を味わうときは、人は明るい光を好み、ほのかな味わいを楽しむときは薄暗い明かりを好むと言う。 食事をする部屋の明かりは、料理の見た目に影響を与えると同時に、料理の味の感じ方もかなり変わってくるという。 グリーンや赤い照明だと、赤ワインがよりフルーティな味がする。男性はブルーの明かりのもとでは食欲が減退するという。濃いコーヒーが好きな人は、明るい照明の下ではよりおかわりする傾向にあり、マイルドなコーヒーが好きな人は、ほのかな明かりのときのほうがたくさん飲めるという。 こうした現象ははっきり説明できないが、スペンスによると人はその食品はこう見えるはずだという思い込みがあるからではないかという。青いチキンや黄色いミルクはやはり違和感があるものだ。あるいは人は自分の感覚におけるある種のバランスを維持しようとしているのかもしれない。だから、強い味の食べ物を味わうときは明るい照明を好み、ほのかな味わいを楽しむときは薄暗い明かりを好むのかもしれない。 3. 音楽音楽は料理を味わう感覚を高める。甘い味は高い音と結びつけられ、低い音や金 管楽器の音はビターな味と合うという。 最近の研究では、音楽によって料理がすばらしいものになったり、台無しになったりすることがあることがわかった。 音楽と料理のコラボは、芸術であり科学でもある。スペンスによると、甘い味の料理は高い音や風鈴などの音と結びつき、風味豊かなビターな味は低い音や金管楽器の音と合うという。ワインはクラシック音楽と相性がいいようだ。ソムリエは複雑なワインへの知識をより深めるために、このような研究結果を利用している。 スペンスの研究に触発されたイギリスの有名シェフ、ヘストン・ブルメンタールは、自分のミシュラン三ツ星レストラン「ファット・ダック」で「海の音」という料理を出している。ホラ貝にiPodが入ったシーフードの皿で、客は海の音を聴きながら料理を味わうことができる。 4. ムード食事の場が暗くどんよりしたムードだったりしたら、料理の味にも影響が出るのは確かだ。ちょっとした緊迫感が漂っているだけでも料理の味を損なうことがあるが、なんとか挽回はできる。食事の前に場をなごませる笑いがあると、その後の料理の味が違ってくる。喧嘩している相手とは食事をしてはいけない。さらに、ひとりで食事をするよりも、友人などのグループで食べるほうがおいしさを感じる傾向にあるという。 テーブルを囲む人数が多いほど、料理が消えるスピードも増す。最近はiPhone相手にひとりを食事をしている人も多いが、スマホは持ち主の気をそらして食べ物を味わう楽しみを減らしてしまう。だが、スマホがすでに生活必需品となって いる今、こうした文明の利器を料理をよりおいしく楽しめるものに利用し直すということもひとつのチャレンジだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.01.22 13:09:12
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