かわいくてユーモラスであるということ以外に、我々は猫のことをどれくらい知っているのだろうか?
だいたい家の中に飼われていることが多いので、タバコの煙やハウスダスト、人間のフケ、花粉、猫のトイレ砂などによって引き起こされる気管の炎症の影響を受けやすい。まれなケースでは、人間が猫にインフルエンザのような病気をうつすこともあるという。
2. 猫はいつもマタタビ類にゴロゴロするわけではない
実際には猫の半数がイヌハッカなどのマタタビ類に反応しない。このハーブに敏感なこうした特性は代々受け継がれてきたため、両親のどちらかが敏感な親をもつ猫が敏感になるのは2分の1の確率だ。両親とも敏感ならば、その確率はもっと上がる。
3. 猫は結構犬と仲良く生活していける
2008年、6ヶ月の子猫と1歳の犬を何組か使った実験で、動物は子供のうちに一緒にすればうまく生活できることを示した。
4. 猫は撫でられるのが好き
実際は大部分の猫は撫でられるのが好きだ。撫でられるのが好きでない個体もいるが、猫はあまり我慢しないのでそういう場合は逃げていく。
5. 猫は無駄な争いを避けるため、他の猫とうまく空間を共有している
猫たちは縄張りを時間ごとに割り振って、他の猫との無用な争いを避けているという。何時から何時まで、この場所は自分のもの、次はお前なって具合に。
6. 猫の脳は犬より複雑
猫の脳は体重のわずか0.9パーセントと小さい。しかし、猫の脳の表面には驚くほどヒダがあり、その構造はほぼわたしたち人間の脳と同じだという。認知情報処理を担う大脳皮質は犬より猫のほうが複雑で、ニューロンの数は犬の1億6000万に比べて、3億もある。
犬のほうが利口だと言われているが、猫の飼い主は反論するだろう。もうひとつおもしろい研究結果は、2010年の最も優秀なスーパーコンピューターの処理能力と競わせた結果、猫の脳のほうが83倍速かったという。
7. 条件がそろえば、猫の短期記憶は相当すごい。
もう障害物がないにもかかわらず、猫は障害物があったことを記憶していて、後ろ足を持ち上げて障害物を避けようとした。約10分間、待たせても障害物の位置を覚えていたという。
、視覚的記憶はそれほど良くないということだ。一番驚いたことは、猫は前足で障害物を越える前にストップをかけられると、視覚記憶自体はわずか数秒しか持続しないということだ。
8. 野良猫は自由に歩き回ることができる野良猫は飼い猫よりも行動範囲が広いことがわかり、飼い猫の平均4.9エーカーに比べて、ある雑種のオス猫は、1351エーカーもの広さを歩き回り、これまでの最高記録をうちたてた。
野良猫は97%の時間を寝て過ごす飼い猫よりも活動的だということがわかる。飼われていない猫は生きるためのエサを自分で探さなくてはならないため、特に冬は必然的に活動的になる。生きるために必要な体温を維持するためにも懸命にエサを探さなくてはならないのだ。
9. 猫の病気は人間の病気と似ている
猫は250以上の遺伝性疾患にかかりやすく、その多くは人間がかかる病気と似ている。遺伝子異常が原因の色素性網膜炎になるし猫免疫不全ウイルスはHIVと遺伝子的に関係がある。猫にも人間と同じようにアルツハイマーがあるし、肥満にもなる。アメリカの猫の55%(およそ4700万匹)が太り過ぎだ。
10. 猫が初めて飼われ始めたのは中国
野生の猫がまだ飼いならされていたわけではなかったとしても、互いに近くに住む関係が利点になったことは確かだ。
11. 猫族の斑点は特殊な遺伝子から生まれる
縞模様の違いは、毛の色が濃くなるEdn3という別の遺伝子のせいであることもわかった。猫は進化の早い段階でTaqpep遺伝子が、その皮膚に現れるEdn3遺伝子のレベルを決めることによって、縞なのか、小さなブチなのか、大きなブチなのかという周期的パターンを確定しているのだ。
12. 猫のゴロゴロは気持ちがよい時だけではない
確かに猫は満足しているとき、ゴロゴロと喉を鳴らすが、出産のとき、病気のとき、授乳しているとき、怪我をしたとき、ストレスがたまっているときも同じ音を発する。その理由はわからないが、猫は25から150ヘルツという一定のパターンで息を吸ったり吐いたりっしているときにゴロゴロという音が出るのだという説もある。
この可聴周波数の範囲は、骨密度を改善し、ヒーリング効果があるとも言われている。猫は寝ている間にエネルギーを温存しているため、ゴロゴロいうのは、多くのエネルギーを使わずに筋肉や骨を刺激する低エネルギーメカニズムである可能性があるという。ゴロゴロいうと、形成異常や骨粗鬆症を改善したりする効果があるようだ。コミュニケートや自己回復作用の基本として猫がゴロゴロ喉を鳴らしているというのはもっともらしい説だ。
13. 猫は基本的に甘いものは好きじゃない
これは哺乳動物の甘味受容体の遺伝子が不足しているせいだ。この受容体は、T1R2とT1R3というふたつのサブユニットタンパク質でできていて、それぞれ別々の遺伝子によって暗号化されている。飼い猫やチーター、トラなどはこのT1R2が欠損している。
14. 猫の日常を混乱させると病気の症状が出ることがある
彼らの日常を乱すと、健康な猫でもトイレではないところにおしっこをしたり、吐いたり、食欲減退などの症状が出るという。
15. 猫は顎を濡らさずに舌で水をすくって飲む達人
犬と違って猫は舌をひしゃくのようにして水の中に入れず、水の表面に触れるだけだ。水面にほとんど触れるか触れないくらいの滑らかなタッチをしてから舌を引っ込めている。そうすると、動く舌と水面の間に水柱ができ、猫が口を閉じると、その柱のてっぺんが切れて、顎が濡れずにうまいこと水を飲むことができる。水の粘着性が水分と猫の舌をくっつけ、猫が舌を引っ込める速度はとても素早いため、その惰性(流れる水が舌にくっついたままになる状態)が水が滴り落ちてしまう重力より勝る。重力が惰性に勝つ前に猫は口をさっと閉じるというわけだ。
16. 猫は飼い主から欲しいものを手に入れる方法をよく知っている
2009年の研究によると、猫は赤ん坊の泣き声を真似るという。エサが欲しいとき、220から520ヘルツの間の周波数で切羽詰ったような鳴き声を出す。赤ん坊も300から600ヘルツとほぼ同じ周波数で泣くため、人間は放っておくことができない。
猫は自分の思い通りにするために、やたらと追い立てる仕草をしてくる。歩いている飼い主の足の間に絡んできては体をなすりつける行為はよく見られる。猫は牧羊犬のようにほかの動物を追い立てるようには育てられていないのに、人間の態度や動きを直接促すことをちゃんと学んでいるのだ。
17. コンピューターでさえ猫が好き
猫はパソコンの上に陣取るのが好きだ。たぶんそれは温かいからだろうが、パソコンのほうも猫が好きだ。
グーグルの16000のプロセッサーをもつ人工知能は、ネットから欲しいものはなんでも吸収することができるが、猫ビデオに入れ込んでいる。
18. 猫には前足で水を飲むのには理由がある
ボウルからではなく、前足に水をつけてそれを舐めるのが好きな猫がいる。猫はヒゲへの刺激を嫌う傾向があるため、飲み食いするときにヒゲが触れるのが嫌いだからなのかもしれないし、水の量が少なすぎるせいもあるのかもしれない。と難しく分析する人もいるだろう。だがそれはもっと単純な理由だ。水に前足をつけると波紋ができるのがおもしろいのだ。
19. オス猫はトゲのある生殖器をもっている
交尾の間にしかるべき場所に男性器を定着させるなど、いくつかの説がある。ただし早い時期に去勢してしまうと、このトゲは生えてこない。
20. 猫はほとんどの時間毛づくろいしている
猫は一日のうちの30~50%は毛づくろいの時間にあてているという。自分で毛づくろいをするとたくさんの利点がある。涼しくなる、癒しになる、血行が良くなる、天敵をひきつけてしまう体臭を除去するなど。飼い猫が人間を舐めたら、それは愛情の表現で、あなたのことを家族の一員とみなしているということだ。