ドイツ、ベルリンのアレクサンダー広場でこんな社会実験が行われた。ペパーミントグリーンの自動販売機には1枚2ユーロ(260円)のTシャツがサイズ別に並んでいる。
ドイツの物価を考えたら非常に安い。人々はこぞってこのTシャツを買おうとコインを投入するのだが、コインを投入すると設置されたモニターのある映像を見なければ商品は出てこない仕組みとなっている。
The 2 Euro T-Shirt - A Social Experiment
Tシャツはまず材料となるコットン素材を作り、それを縫製するという作業が発生する。更に流通させ、小売店でも利益を出さなければならない。どう考えても原価割れしていそうな激安Tシャツはどのように作られているのだろうか?
そこには、劣悪な労働環境で働いている労働者たちの姿があった。
彼女たちは時給15円に満たない賃金で、1日16時間の労働を強いられていた。
この映像を見た人々の顔がみるみる変わっていく。洋服の値段が下がり続ける背景にはいつも、その代償を払い続ける人々がいるのだ。
映像が終わると「買いますか?寄付しますか?」の選択画面が。
事実を知った後、人々は買わずに寄付を選ぶようだ。
毎年4月24日は、「ファッション・レボリューション・デー」だ。これは、2013年4月25日、バングラディッシュ、ダッカ近郊で起きた痛ましいバングラデシュ史上最悪の産業事故、労働災害、「ダッカ近郊ビル崩落事故」を風化させないためにと設けられた国際的なキャンペーンである。
崩壊した「ラナ・プラザ」ビル
当時、時代は「ファストファッションブーム」。安い衣服がが爆発的に増加した背景には、地獄のような労働条件で働いていた人々がいた。「ラナ・プラザ」ビルでは、元々5階建てだったビルを無理矢理8階建てに増築し、増えつづける需要に対応しようとした。ところが無理な増築によりミシンの“微々たる振動”に耐えられなくなったビルは崩壊、死者1,127人、負傷者2,500人以上の大惨事になった。
Rana Plaza building collapse: Death toll continues to rise in Bangladesh
当時、グローバル展開する欧米や日本の大手衣料品業者が、同国の劣悪な労働環境や安価な労働力に依存して利益を上げている状況が浮き彫りとなり、論議を呼んだ。
この社会実験動画は、今年2回目となる「ファッション・レボリューション・デー」の為に作られたもので、このキャンペーンには、50 ヵ国を超える国が参加している。
「世界の工場」中国の製造業に従事する人々の画像
これがアメリカのブラック?劣悪な環境で従業員を働かせていた6つの企業と国家
ダメージ加工のジーンズはこのように作られていた。隠し撮りで明らかとなった中国のジーンズ工場内の実態
人毛から工芸品。中国山東省での人毛市場から工場へ運ばれた髪の毛が工芸品に変わるまで「Hair Highway」
中国の小さな工場ではこのようにトイレットペーパーが作られている。