カテゴリ:救助
この世界は不可解な現象で溢れている。時として常人の想像を超えるレベルのミステリーも存在するのだ。この物語の主人公は19歳の少女、ジーン・ヒリアードである。 ジーンは氷点下22度の極寒の中、体が完全に凍ってしまった状態で長時間放置されたにも関わらず、凍傷にもならず、何の障害もなく意識を取り戻したという医学では解明できない奇跡を起こした。 https://www.youtube.com/watch?v=G5E394eoU54&feature=player_embedded Unsolved Medical Mystery of Ice Hibernating Woman - Jean Hilliard ジョージ・サザー医師は、彼女がなぜ生きているのか分からないという。 この事件は、1980年12月20日、米ミネソタ州レンビーで起きた。当時19歳だったジーン・ヒリアードは友達の家から自分の家へと帰る道中、凍った道路で車両が溝に滑り落ちてしまった。 道路は砂利道で舗装されていなかった為、彼女は仕方なく極寒の中、知り合いの家へ徒歩で向かう事にした。そのまま車に留まれば凍え死んでしまうことを恐れたのだ。しかし、友人の家は彼女の思っていた以上に遠く、彼女は長時間歩く事となった。 ジーンの足は寒さに震え、極寒の風で次第に体力は奪われていった。 彼女が最後に覚えていた光景は、友人宅の目の前の道路である。彼女は雪の降る中3.2キロもの距離を歩いたのだ。この時の時刻は午前1時、彼女は力を失うように地面に倒れこんだ。 その後6時間もの間、ジーン・ヒリアードは氷点下22度の寒さの中、意識を失っていた。自然の猛威は彼女を氷の塊へと変えていった。 朝7時、友人であるワリー・ネルソンは玄関の外に出ると直ぐにジーン・ヒリアードの凍った身体を発見した。彼はこの時の体験を「彼女は死んでいると思った、彼女の表情は死んだ人間のそれだった」と語っている。 ワリーは直ぐに凍った友人の身体を車に乗せたが、彼からみて彼女から生気を感じる事が出来なかった。 ●病院にて 彼がジーンを連れフォッストン市病院に到着したのが午前8時、医師たちもジーンは死んでいると思ったと言う。 医師ジョージ・サザーはその時の体験をこう語る。「彼女の体温を測る事が出来ませんでした、カチンコチンい凍っていて、体温計を挟める所が無かったからです。彼女の口は開く事が出来ず、腕を上げ下げする事も出来ず、まるで丸太が氷に覆われたような感じでした。関節が動く気配は一切ありませんでしたし、瞼は動かない上に光を当てても全く反応がありませんでした」。 凍り付いた彼女の皮膚は注射を打つこともできなかった。心拍数を計ったところ、心臓は1分間の間にわずか8回しか動いていないことが分かった。 「まるで冷凍庫から取り出された肉のように、彼女は硬く、冷たかった」と医師は語っている。彼女を見た者全てが、奇跡でも起きない限り救いようがない、と感じたと言う。 サザー医師は取りあえず氷の彫刻となったジーンの身体全体に暖かく湿った布を被せた。 奇跡 ジーンの母親はその時の事をこう語っている。「彼女の手を強く握り、何度も彼女の名前を呼びました。もう一度目覚める事を願いながら。すると午後1時ごろ彼女が小さな音を立て、『喉が渇いた』とつぶやきました。私はその時奇跡が起きたと確信しました」。 ジーンは体の自由を取り戻し、三日後には足を動かせるまでに回復した。 サザー医師は語る。「人が凍ってしまう現象は数多く見てきましたが、彼女のように手足の切断をしなくても良いケースは初めてでした。私は彼女が回復し始めた頃、ジーンと御両親に両足の切断をしなければならないかも知れないとは告げていました」。 ジーンはその後集中治療室で6日間滞在し、その後通常の病棟へと回された。49日後、ジーンは何の障害も無く退院した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.06.29 08:04:14
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