グランドスラムに向かって始動
アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が前人未踏の記録に挑む。米女子ツアーの今季メジャー第3戦、全米女子オープンは現地時間23日、コロラド州デンバーのチェリーヒルズCCで幕を開けるが、年間グランドスラムを目標に掲げて突き進むアニカにとって、第3の関門はとてつもなく高い。かつて最初の3つのメジャータイトルを取った者はなく、今大会に優勝すれば、それだけですでに大記録となるからだ。「まだまだ半分しか達成できていないし、残る2つが難しいのはよくわかっている。でも、私はそこから逃げる気はないし、とても興奮している」と、笑顔を見せるアニカ。計り知れないプレッシャーを表に出すことはない。かつて本大会3連覇がかかった97年には、重圧に負けて予選落ちを喫したこともあるアニカだが、その後男子のトーナメントに出場したり、殿堂入りを果たすなど一回りも二回りも大きく成長しており、自信をみなぎらせている。そんなアニカの前に立ちふさがる敵は、15歳の天才少女ミッシェル・ウィー(米)や20歳になったばかりの宮里藍ら155選手だ。2週前のマクドナルドLPGA選手権で2位となり、もはやメジャーでの目標は勝つことだけとなったウィー。先週行われた男子の全米アマチュアパブリックリンクス選手権予選もトップで通過して、男子の大会にも進出することを決めており、絶好調で現地入りしている。そんなウィーの課題は、標高約1マイル(約1,600メートル)の“マイルハイ・シティ”デンバーならではの飛距離のコントロールだ。通常より1割り増しといわれる飛距離は、ウィー最大の武器、300ヤードドライブにさらなる力が加わる。練習ラウンドでは、ややダウンヒルとはいえ、346ヤードの1番ホールでウィーはドライバーをぶっ放し、グリーンをわずかにショートしただけ。60年にアーノルド・パーマー(米)が最終日にこのホールで1オンさせて流れをつかみ、結局65を叩きだし、7打差をひっくり返して優勝した伝説を聞かされると目を輝かせた。だが、この飛距離アップは両刃の剣。飛距離をキチンと把握してどれだけ自分のプレーができるかにウィーの活躍はかかっていると言えそうだ。コースが難しいメジャーでは特に大切なショートゲームに磨きがかかっていることは自他共に認めているだけに、メジャーVの野望に向けて、ウィーの胸は高鳴っている。大会初出場にワクワク、ドキドキの宮里藍にも注目だ。想像以上のコースの難しさに悲鳴を挙げたのは最初だけ。同行している父でコーチの優氏に長いラフからのアプローチを伝授されて開眼。攻略に自信を取り戻しており、期待できそうだ。21日には注目選手だけに声がかかる公式会見に呼ばれた宮里は「米国でプレーするのは夢でした。ここで世界のベストプレーヤー達と戦えて光栄です。将来はこちら(米国)でプレーしたい」と胸を張った。その他日本勢は、5年連続賞金女王の不動裕理、最終予選を通過した肥後かおり、東尾理子、山口千春が参戦。殿堂入りを果たしている樋口久子以来2人目となる日本人メジャー優勝を目指す。確か雑誌に(名前は忘れたが)、「アニカは競技前日でも筋トレをやっていて大会中は常に筋肉痛である。筋肉痛でない日はない」、と書いてあった。のを思い出した。それが自信になり、今のアニカを支えてる根源らしい。やはりトップアスリートともなると、日々鍛えているのだなと感心した。「たまにはまぁいいか」で済ませる小生にはちと出来ないなと思った。