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カテゴリ:明日香のこと
明日香が先天性胆道拡張症の手術を受けて、一年経った。 明日香は、胆管と胆のうを取って小腸を肝臓に直接繋ぐ手術を受け、元気になった。 パパの友達の消化器内科の先生から、「胆のうや胆管を取っても、半年から一年で体が慣れてくる」と聞いていたのだが、明日香も術後半年はよく腹痛を起こして「お腹が痛い~!」と言って、よく横になっていた。
ところが、術後半年たって、こっち(名古屋)に引っ越してきた頃から、腹痛をあまり訴えなくなり、体調によって時に下痢をするものの、日常生活で心配することはなくなってきた。きっちり半年で慣れてきたんだな~。やっぱり若いな~。
術後半年は、一生懸命すぎて余裕もなかったけれど、この夏に私がストレス病の突発性難聴で体調を崩した頃から、 「私も頑張ってんだなあ。ストレスをためてたんだなあ」 と思う余裕が私にも出てきた。
明日香が先天性の病気を持って生まれてきたことは、特別私のせいだとは思っていない。ほとんどの病気が、いまだに原因不明なのだから。同じ病棟に入院していた難病の子供達にたくさん会ったが、あの子達だって親のせいで病気になったわけではない。私が自分を責めることは、難病と闘う子供達とそのお父さんお母さんたちにとっても失礼なことなので、私は自分のせいで明日香が病気になったのだとは、絶対に思わない。
でも最近になって、明日香の寝顔を眺めていると、涙がでてくることがある。
私が「何かおかしい」と感じていたのに、小児科の先生にもっとこの母親の勘を上手に訴えることができていたら、もう少し早く病気がわかって、あんなに苦しまなくてもすんだのではないか、とか。
明日香が2度目の急性膵炎(正確には3度目)を起こしてしまったのは、私の食事管理が徹底していなかったからだ、とか。
自分を責める余裕が出てきた。(と言うと変な言い方だけど、当時はそんな余裕も本当になかった。)
明日香は急性膵炎の治療と手術後と合わせて、合計2週間くらい絶食期間があった。明日香は当時まだ2歳、絶食はきつかったのだと思う。お見舞いに来たおばあちゃん(私の母)に、 「おばあちゃん、おにぎり買ってきてぇ…」 とこっそり頼み、おばあちゃんは買い与えることもできずつらい思いをしたらしい。当時の私は、この話を聞いても 「2歳なのに絶食させられてかわいそう」 とは思わなかった。だって、食べてしまったほうが、急性膵炎を起こしてかわいそうなことになるから。でも今の私は、当時の明日香を不憫に思うことができる。
急性膵炎がどれくらい苦しいのか、私には経験がないからわからないけど、大人でもかなり痛いのだという。明日香は現在でもまだ3歳。この夏、2週間マンションを空けて実家に帰っていただけで、
「あれ? あーさん、何階に住んでたんだっけ? 久しぶりだから忘れちゃった~♪」
と言うくらい、記憶力の短い生き物なのに(←明日香の頭が弱いのか)、一年も前の膵炎の苦しみのことはいまだに覚えていて、
「あのとき、あーさん、お腹と背中がすごく痛くなって、ゲボ(嘔吐)して、つらかった…」
と、よくつぶやいている。ものすごく、つらかったのだと思う。
絶食中は明日香もつらかったと思うが、私も一日一食しか食べれずちょっとつらかった。明日香が絶食していると、近くで何かを食べたり飲んだりすることができないので、ウイダーインゼリーのようなものを洗面所に置いておき、手を洗ったりトイレに行ったりするふりをして、チュチュッと食べていた。一日一回はパパかおばあちゃんが交代してくれて、売店のお弁当や食堂の食事にありつけることができたが、ある日丸一日ウイダーインゼリーさえも食べられない日があり、深夜明日香が寝た後に「ファイバー入りビスケット」のようなものを食べたら、空っぽの胃腸にファイバーがきつかったらしく、下痢をしてしまった。 トイレで
「ああ、貴重な栄養がもったいない…」
と思ったのは、32年間の人生の中で初めてだったと思う(笑)
私は元来ゼリー系のものが大好きで、普段からよく食べているのだが、ウイダーインゼリーはまだ当分食べたくないな、と思う。当時の空腹との戦いやつらかった気持ちを思い出しそうだから。
あ、ウイダーインゼリーと言っているのは、ちょっとした私の見栄です。ウイダーインゼリーはけっこう高いので(1個148円くらい?)、実際はもっぱらトップバリュのゼリー飲料(一個98円くらい)でした
それから、私は一つの揺るぎない事実に気がついたのだ。それは
あんなにつらい思いをして空腹に耐えたのに、2キロしか痩せなかったということ。
あれ以来、
「ダイエット? 何ソレ? どーでもええわい!」
という気分が続いている。多分今後も一生続く(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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