私は元来人と雑談をするのが苦手なのです。スポーツにも芸能界にも政治にもほとんど興味を持てないので、話題を提供できる種が乏しいこともその一つの原因でしょう。人が何に興味を持って話すのかさえあまり理解が出来ないのです。
その話の種を少しでも増やせるかなと最近になって色々な本を読み漁るようになりました。少し前までは文芸春秋社のベストエッセイ集のシリーズを読んでいました。今も読み続けていますが、これに加えて中央公論社の世界の歴史全16巻を読み始め、それぞれの時代の風俗や考え方、経済や生活などを改めて見直しています。
その一環としてファニーヒルと言う本も読んで見ました。これは18世紀にフランスの片田舎の18歳の女性が一人で暮さなければならなくなり騙されて娼婦の道を歩くという話でした。物語の中身はかなり性的にも具体的な話も出ますが、全体的に暗い話ではなく、その時々を楽しみ、2年後には最終的に、初期に出会った初恋の人と結婚して幸せになる話でした。この話が書かれたのはイギリス産業革命(1760年頃)の前、1748年と言います。そうした時代背景の中で描かれたのですね。発禁本になったり映画化されたりとかなりめまぐるしい扱いを受けている本です。
デカメロンと言う話はボッカチオが書いた古典と言うことで、学校で習った気もしますがどんな内容かは知りませんでした。そこで阿刀田高さんが書いた「花のデカメロン」というダイジェスト版を読みました。
それによると描かれた時代は1358年頃。14世紀の中世でそろそろルネッサンスが始まるころです。当時は町にペストが流行すると、有効な薬はなく、それを避けるためには町から避難して離れた屋敷に閉じこもるしかなかったようです。
このデカメロンもそういう設定で3人と男と7人の女が10日間閉じこもり、その間の暇つぶしに各人が1話づつ話をし、合計で100話がまとめられという体裁をとっているそうです。現物は古典モノ特有で回りくどくダラダラと続く文体で書いてあるようなのですが、この本はそれを判りやすく直してくれていました。
最初はすらすらと読んでいたのですが、話の内容はほとんどが妻か夫の浮気話ばかりで、それをどのように隠し、誤魔化すか。そしてその結末がハッピーエンドになったり恐ろしい結末になったりと言うもので、もし浮気話ばかりなら飽きてしまうだろうなと言う本でした。
内容はともかく 阿刀田さんの適宜評価を加えているこの本が気に入りましたので、同氏がシリーズで出されている「アラビアンナイトを楽しむために」「旧約聖書を知っていますか」「新約聖書を知っていますか」その他の文庫も入手しました。これにコーランもそのうち加えようと思っています。こんな気になったのも世界史を読み進めているからでしょう。
ちょっとがっかりしたのは「世界子供の歴史」という全11冊のシリーズ本でした。定価は1冊2600円と言う立派な本なのですが、中を読んでみるとどの本も学者が書いた本と言うていで、口述筆記の文や、学生との対話方式、同じことをくどくどと難しく書いて何を言いたいのか判らないなど、がっかりする内容でした。まあ古本で入手したのでそのうちに廃棄してしまおうと思っています。
こんなわけで今は色々な本を濫読し始めています。腕が腱鞘炎になっていますので、しばらくはこのこの状態が続くでしょう。
昼は少し暖かかかったので、中断していた、古土を再生するために乾かしておいた土を篩い分けしました。少しづつ春の準備です。
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最終更新日
2017.02.14 18:34:34
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