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桜井亜美さん
ヤンソギルさんの小説の解説をしていたので知りました。 彼女は約10年前にこの紹介する「イノセントワールド」でデビューしたそうです。 当時結構話題になったらしいですが知りませんでした(^^ゞ まず目を引くのは、17歳の女子高生の絡む出来事が、知能障害の兄との関係、売春、出生の秘密、妊娠、レイプ、ドナーとの関係・・・と驚きの内容が目白押しなところ。 でも読んでいくうち感情の表現の面白さに惹かれました。 冷たい光の驟雨が降り注ぐ街。街にはもう人通りも途絶え、何一つ動くものはない。 夜の底に眠る金属質の静寂が、ゆっくりとあたしの空っぽの心臓を浸しに来る。 それは完全にあたしを支配し、ほんのつかの間、無機と死の幻想の懐ろにかき抱いてくれた。 というような文章が随所に出てきます。 目新しい表現に「ん」と思うんですがすぐにその情景が映像のように頭の中に広がります。 ほとんど情報のない状態で読んだこの「イノセントワールド」は新鮮でなかなか面白かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年03月08日 14時08分44秒
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