シプリアン・カツァリス ピアノリサイタル in NAGOYA
クラシックコンサートにはたいてい一緒に行く友人と(おばはんふたり)わくわくしながら行ってきました。ふたりともカツァリスさんの音が好き。彼女の都合がはっきりしなかったのでチケットの手配が遅れ、2階でした。ま、2階と行っても正面一番前ですが、、しらかわホールの2階は落下防止のためかフェンスの上にアクリルパネルが貼ってあって、それを支える柱があります。わたしの目の前はその柱で、ちょっと邪魔だったwwプログラムはモーツァルトのソナタ11番とブラームスの3つの間奏曲、休憩を挟んでショパン!マズルカふたつとノクターン4番、ワルツの12番と、、バラード2番。そのあとワーグナー。プログラムを見ていつも思うのは、「ぎっちぎちに詰め込んである、ほとんど休憩1度しか時間はなく、出ずっぱりっぽいな」てこと。それはきっとカツァリスさんの意思なんでしょうけど、そのパターンはピアノリサイタルについてはまれなことのように思います。他のピアニストの場合、たいていは休憩でなくても舞台そでに引っ込む機会は多いです。カツァリスさんの場合それはなく、ひとつの曲が一段落しても曲の余韻が収まったらすぐ次。切り替えが早く、あっと言う間に次の曲の雰囲気を作り上げていくのです。それが天才的だな、と思うわけ。一昨年のリサイタルもそうだったように、今回もプログラムの前にいろんな曲のカツァリスさん編曲バージョン(結構長い)が始まりました。ラフマニノフのピアノ協奏曲2番やドビュッシーの月の光、あと赤とんぼやモルダウ、ラフマニノフのピアノ協奏曲の3番もありました。ピアノ協奏曲2番を聴くと、もう真央ちゃんのフリーしか思い浮かばなくなるほど曲のイメージがフィギュアスケート好きには定着したこのごろ。3番はエレーナ・ラジオノワちゃんのフリーでしたね。おっと、話がそれた。シーズンに入ったので頭がそっちに自動的に切り替わるwwそれにしてもモーツァルト。なぜモーツァルト?カツァリスさんのイメージにモーツァルトはなかったので不思議な感じ。そういえば、このコンサート、いつもありがちな「就学前のお子様の入場お断り」の但し書きがありません。てことは子供のお客へのメッセージなのかな?とも思います。ずいぶん前ですがNHKでショパン演奏を教える先生をしていたわけだし、寛容な対応だ。(と勝手に思う)ピアノリサイタルに使われるような曲はたいてい難易度が高く、音楽の道を目指している人しか弾けないような曲が多い、、と考えると、(ピアノ習っていた人にはわかると思いますが)モーツァルトのソナタには早いうちに出会うからかな?とか。。違うかな。プログラム前の即興演奏中も、実はちょっと遅れてきたお客さんが係員に誘導されて席に移動している姿が見えました。2階だからよく見えるのです。これはカツァリスさんが、会社員にとっては少し早い開演時間に間に合わない人もいることを理解していてそれに対する配慮なのかな?と思います。だいたい有名なコンサートでは曲が終わるまで入場できません。カツァリスさんの音に魅了されてていつもリサイタルを楽しみにしているわたしにはすべてがええようにしか感じられない。はっと気づくと休憩になっていました。ブラームスよかったーーー(知らない曲だったし)休憩するときに、えらく宣伝されていたマロンなんちゃら(ケーキみたいなちっちゃいの)を食べてみた。和菓子食べるのに使う黒文字みたいなんがついてきたけど、食べにくい、かぶりつく。クレープ包みのモンブランぽい。にしても今日は早いね、時間が過ぎるのが!と友人と話し合う。そしてショパン。いい!!マズルカもノクターンも生ショパンに感動。音がねぇ、、澄んでいてとってもキレいなんです。濁らない。すごい。そしてバラード2番。世間的には1番が有名だけど(羽生君以前にも真央ちゃんが使ったし)、2番もいいよーでもスケートには使わないでね、とか思う。だってあれスケートにするには難しいよ。絶対使わないでね、と何度も思う。最近フィギュアでショパン使う人が増えてきて、別のイメージつきやすいのを懸念しているショパンマニアなのだ。ワーグナーが2曲続き、最後のプログラムが「ピアノマスカレード」に入っているあの曲。ワルキューレの騎行。もうね、超絶技巧ですから。これぞカツァリスさんでしょう。わ~~~~~~~って盛り上がりました。こんなすごい演奏を観客はおいそれと舞台裏へ返しません。拍手は鳴りやまず。戻ったカツァリスさんが低い和音進行を4つリズムで刻んだ途端、ピンクパンサーやん。って観客にはすぐわかってくすくす笑い。どんなジャンルでもありなのですねーそれでも拍手は鳴りやまず。次に、チャイコフスキーのピアノ小品集から四季の「10月 秋の歌」うっとり。物悲しい旋律。まさに今「10月」ですもんね。まだまだ拍手ははカツァリスさんを帰らせません。舞台に戻しました。そしてブラームスの子守唄。ああ、これが最後ってことね、とわかるみんな。キレイな有名な曲ですが、どういうわけか最後の方がホラーみたいで怖かった。。そして晴れ晴れとしたカツァリスさんは観客に「オヤスミナサーイ」と手を振って退場。本当に素晴らしい一夜でした。友人とふたり、「次回も絶対来ようね」と。(気が早い)