プロジェクトXで超音波診断機を開発したお話を。
超音波診断機というとすぐに頭に浮かぶのは妊婦さんが婦人科で子供の発育状況をその場で見せてもらう、(ドラマでも時々そんなシーンがある)エコー。わたしは妊婦の経験がないのだが、あるとき「婦人科の病気かも・・・」と危惧して勇気を出して紹介された産婦人科へ行ったことがある。おなかに診断機をあてられてヒヤッとした感触と、映し出された映像にとても驚いた。異常はなく、ほっとして帰ったということを思い出す。研究開発費というものは企業にとって利益を生み出さないものは意味が無い。しかし超音波診断機を開発するため家を担保にしてまで研究費を供出しようとした今日の話題の人は人を救うことができる、というまだ若い医師のことばに心を動かされたことが始まりだったらしい。「創意は無限」とはいってもなんと尊い志だろう・・・会社から経営難を理由に開発チームをばらばらにされて、開発するために、もっと赤字の多い子会社に移ってさらに開発の努力をした人たち。この人たちのおかげで病気の早期発見につながった患者はきっと想像以上のものだったに違いない。それにしても日本という国の教授制度は、お粗末なものだったらしい。研究結果はアメリカで発表しなければもしかしたら受け入れられなかったかもしれないからだ。現在の大学病院は以前とどれほど変わったのかは知らないが「白い巨塔」のようでないことを願っている。