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2007年12月28日
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カテゴリ:着物・浴衣
先日、結城紬をまじまじと見る機会がありました。
あまり外に着物を買いに出かけないので、なかなか無い機会で、
とても興味深く見ることが出来ました。

結城紬の糸は手作業で紡ぐので、ほっこり暖かな触り心地で、機械で紡いだものと
比べて手触りが違い、「これが元は同じものとは~!」とびっくりしてしまいました。



さて。今日の主題は「心が篭るとは?」です。

  結城紬は手が掛かる = 心が篭っている  という図式は正しいでしょうか?

手作業は大変だろうし、まさしく心が篭っていそうです。




じゃあ、ポリエステルの着物には心が篭ってないのでしょうか?



着物に限らずですが、正直、いろんなものにいろんな気持ちが込められているもの
だと思うんですよ。


着物なら、お客様に喜んでもらえる安くて、着易い、柄の種類豊富な着物を作ろう、
流通をどうしよう、デザインはどうしよう、サイズ展開はどうしよう、宣伝はどうしよう、などなど。
1つの商品を作ろうとした時の苦労は並大抵ではありません。


別にポリの着物が嫌いな人にポリも好きになって欲しいとは思いませんが、
ポリだから、機械が作ったものだから、という理由で蔑視されてしまうのは
同じ着物好きとしては、ちょっと悲しいものがあります。



世の中、いろんな苦労や思いがあるのに
「手の込んでいるすごいもの=心が篭っている」と思うものは
自分が知っているものや気が付いた範囲内だけで、
自分の知らないもの、気が付いていないものに関して
「すごくないもの=心が篭っていない」と
思いがちだと思うんですよ。(それが悪い、というのではなく傾向のお話です)

私も当然、気が付いていないことがいっぱいあります。

「全部を知り得ない」というのは神様じゃないから当たり前なのですが、
だからこそ、知り得ないものにも何かしら想いがあると
できるのならば、少しでも気がついて欲しい、と思いました。





ここからは「売り手」側からみた テーマ「心が篭るとは?」です。

私のお仕事は電子系です。
1つの商品を作り上げるのに何百時間もかけ、
知っている人、知らない人も含め、何千という人の手を介して作られています。

作るものは、1と0の、磁石を近づければ消えてしまう情報ですが、
想いはとてつもなく詰まっていますよ。

でも、想い、なんてものは当人がそう勝手に思い込んでいるだけで、
雑誌や宣伝で想いを熱く語るなどしなければ、
当然、それ自体がお客様に通じる事はありません。

想いが通じなくて悲しい? 
いいえ。それも当たり前のことです。

心を込めて作った結果、お客様に商品を満足していただければ
それで良いのだと思います。
逆に、商品に満足してもらえないものなら、幾ら心を込めてもダメだと思います。





いろんなものにはいろんな想いが込められています。
皆、誰しもお客様に喜んでいただく為に身を粉にして働いています。
そういった部分に関して言えば、結城紬だけが特別なのではない、と私は思います。


長々と書いてしまいましたが、なにかプラスになるものを感じていただければ幸いです。
(※結城紬を否定しているわけではない、ですよ!
  結城紬、とても欲しいです…!素敵です!)





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最終更新日  2007年12月29日 01時36分51秒
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