|
テーマ:ヨーロッパ旅行(4227)
カテゴリ:ヨーロッパ旅行・見聞記
こんにちは この強制収容所について続きを書くかどうか迷ってたのですが、というのも重い話ばっかりでくどくなるのではという懸念があったのですが、やはり始めた以上最後まで、と思うのと、しっかり日本の皆様にこの事実を知っていただくためにも続けることにしました。 では前回申してましたように、この収容所内の牢獄について今日は書いていきたいと思いますのでどうぞよろしくお付き合いください。 その前に、白バラ運動ってご存知でしょうか? ナチスに反対して活動していたドイツの学生たちの活動のことです。 その中心であったのがショル兄妹で有名なのは妹のほうの、 ソフィー・ショル
彼女は結局、反ナチス思想のビラをまいていたところを逮捕され、裁判で死刑の宣告をうけ、その日のうちにギロチン刑により命を失いましたが、最後まで、自分達のやっていることは多くの他のドイツ人も思っていることだ、と堂々と意見を主張していたそうです。 享年21歳。 皆さんはもしこの時代に生きていたら、彼女のように真っ向から命を顧みず反対することができますか? 以前フランスのアルザスのナッツヴィラー強制収容所を訪問したときも思いましたが、私はこれらの勇気あるレジスタンスの人々に心から敬意を表します。 この当時、多くのドイツ人はナチスのやってることに賛成できなくっても、死刑や収容所送りが怖くて黙っていました。 私に彼らと同じ勇気があったでしょうか? ひょっとして収容所送りが怖くて、事なかれ主義でじっと待ってたかもしれません。 勇気のない私と比べて、最後まで自分の主張を堂々と通したこのソフィーを初め、他の国内、国外の勇気あるレジスタンスの方々に本当に心から敬意を表します。
ソフィーのようにナチスに反対したものは、大抵が強制収容所送りとなりました。 ゲシュタポに逮捕されて政治犯などは、強制収容所の監獄送りとなっていました。 収容所ってそれ自体がすでに監獄だと思うのですが、その収容所内にも規則を破ったものなどを入れる監獄があったのです。 ではその建物の中に入っていきます。
入り口のドアから見た内部
当時はTの字型に建物があったそうですが、現在ではその横の部分は取り払われています。 この監獄内でも監視員によるいじめ、虐待は想像を絶するひどさであったそうです。 独房の様子
誰が供えたのか、床には半分枯れかかったバラが置かれていました 涙を誘います
多数の捕虜がここで無抵抗なまま、虐待により命を落としました。 この監獄の建物のすぐ横にはこのような木が三本立ってました。
さて、この木は何の目的のために立てられたのでしょうか?
答えはこれです。
『どうだ、気にいったか、このブタ野郎どもめ』
時にはこの地獄の責め苦にあえいでいる捕虜を ブランコよろしく揺さぶる意地悪な監視員もいました。
もうひとつ、捕虜たちから恐れられていた刑罰のひとつに、棍棒でお尻を殴られる、というのがありました。
盗みを犯した、SS監視員に対して生意気だった、逃亡を企てた、禁煙にもかかわらずタバコをすった、パンを盗んだなど様々で、その内容によって叩かれる回数が指定されています。
2人の巨漢監視員がその犠牲者の尻を殴るのだった。 そして犠牲者は一緒に数を数えるのだ。 この刑罰はいつも朝礼のあと、皆の見ている前で行われた、 そして我々はそれを終了するまで眺めているのだった・・・・ (アブ ニコラース オランダ人捕虜 1941-1945)
捕虜はこの図のように、木の台に縛り付けられます。 殆どの捕虜は25発も殴られた後、動くことができず、そのまま痛みのため息絶えてしまった人もいました。
・・・・・・とても注意深くその叩かれた尻を私達は治療してやった。 この場合に備えて私たちはマーガリンを1パック、備えてあったのだ。 それでも翌日曜日には、25発も殴られて壊れた腎臓のせいで 死ぬ者が必ずいた・・・・ (アプ ニコラース)
監獄のある建物を出て、私と天敵君のお兄ちゃんは二人ともしばらく呆然・・・・・足取り重く次の場所へと向かいます。 前の記事にも書いてましたが、このザクセンハウゼン強制収容所はアウシュヴィッツと違い、大量殺人が目的で建てられたわけではありません・・・・・・・が、
これは何だと思いますか? これは下の広場のようなところに捕虜を大勢立たせておき、上の土手のところから一斉射撃で捕虜を撃ち殺すところです。 私はその下の広場の捕虜たちが立っていた場所に降りていきましたが、そこに立ったとき寒気をおぼえました。怖かったです。 花が添えられていました。
朝の点呼のあと皆の見ている前で捕虜の死刑(絞首刑)が執行されるわけですが、あるポーランド人の生き残りが処刑された捕虜の死刑前の最後の言葉を記憶してまして、その最後の言葉をもって今日のブログは終わりたいと思います。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.16 03:21:29
|