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カテゴリ:飲食百態
文豪・島崎藤村ゆかりの温泉宿N荘は、若者には「フジムラユカリさんの宿」と濡れ衣を着せられても、年配、特に藤村好きな読書家には根強い人気があることで知られる。テレビなんかでも紹介されているので、地元を代表する温泉宿としてなかなかの吸引力を持っている。
ここの主と女将とは友だちで、飲みに行くことも度々。夫婦ともにお酒が好きだが、それがヒートアップしてワイン用のぶどう栽培も始めてしまった。 ぶどうは3年で実が付き、ようやくワインになる。N荘で栽培する品種はシャルドネ種で、酸味と甘味が際立つ白ワインだ。 「ねえ、かっちゃん、今日収穫しているんだけど、手伝いに来ない?」と女将に誘われ、「見学と試食だけなら行こうかな」と見晴らしのいい標高830mのぶどう畑にやって来た。 888本植えたシャルドネの木には、たわわに実った黄金の粒がドシリとぶら下がっている。既に透明感も出ていて、中の種が透けて見えるほどだ。 なんでも、糖度を計ったら23度もあったらしい。ミカンやリンゴよりも甘い。そのまま食べても充分イケるお味である。女将にいたっては、木からハサミで切り取ったぶどうを、カゴと口に交互に運ぶので、「チョキン、パク」「チョキン、ポコ」の音が畑に響いている。収穫率50%の効率の悪さである。 今年は、メルロー種も植えたとのこと。3年後にはこちらもワインに変身する。女将が「パク」しない限り。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.13 18:57:10
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