|
カテゴリ:国際
今日はいい天気だった。こんな日は、とても昼間から仕事などやる気にならぬのだが、今日中に納めてほしいと遠く東京から依頼があったもので、しかたなく二時間ほどでちゃちゃっとやりあげてから外に出た。 いつもの散歩コースを歩いて、区と区の境を流れる川のほとりまで出たら、「アルカディア×××」 というマンションが建っていた。そう大きなマンションではなかったが、深い緑色の石造りを模したなかなか瀟洒な建物であった。調べてみたら、「アルカディア」 という名前のマンションなどは、日本中のあちらこちらにあるようだ。 「アルカディア」 という言葉は、もとはギリシアはペロポネソス半島中央部の貧しい山岳地帯を指していた言葉だそうだが、後世、「牧人の楽園」 との伝承が生まれたとかで、、やがて中国で言う、「桃源郷」 のような意味の言葉としても使われるようになる(参照)。 ラテン語で "Et In Arcadia Ego" と書くと、「われ、アルカディアにもあり」 という意味になるが、これは17世紀イタリアで生まれた言い回しなのだそうだ。この言葉の 「われ」 とは、ほんらい 「死」 のことをさす。したがって、この言葉は、「死」 は 「アルカディア」 のような 「桃源郷」 の中にもちゃんとあるよ、という意味になる。 つまりは、この言葉は、「理想郷」 とされ、みなが憧れる 「アルカディア」 すらも、「死」 からは免れないという警告であり、これもまたラテン語の有名な言葉である 「メメント・モリ」、すなわち 「死を忘れるな」 という言葉とほぼ同じ意味ということになる。 松本零士の漫画 「キャプテン・ハーロック」 では、髑髏のマークをつけたハーロックの船の名前が 「アルカディア号」 だったが、はたして彼はどういうつもりで、この言葉を用いたのか。それは 「楽園」 を意味する言葉だったのか、それとも海賊旗の髑髏と同じく、「死」 を連想させる言葉であったのか。 はたまた、川岸に建っていた瀟洒な 「アルカディア・マンション」 に住んでおられる方々は、その言葉をいったいどういう意味で理解しておられるのか、まっ、そこまでは分からない。 かつて、韓国の独裁者だった朴正煕は、首都ソウルにあるKCIAの建物の中で、腹心だった当時の金載圭韓国中央情報部長に射殺された。これは今からちょうど30年前、1979年10月26日のことだ(参照)。 また、中国ではやはり毛沢東の死後に、彼の遺言によって後を継いだとされる華国鋒政権下で、毛沢東夫人だった江青ら、かつての文革の中心人物だったいわゆる 「四人組」 がいっせいに逮捕され、失脚するという事件が起きた。これは1976年のことだが、その後、華国鋒自身も退陣を余儀なくされ、トウ小平の復活という劇的な幕切れとなった(参照)。 最近では、8年前にネパールの王宮内で、当時のディペンドラ王太子によって、父親のビレンドラ国王ら多数の王族が殺害されたという事件が起きている。これも、首謀者とされる王太子自身も負傷し、直後に意識不明のまま死亡しているので、真相はよく分からない(参照)。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.10 17:58:59
コメント(0) | コメントを書く
[国際] カテゴリの最新記事
|