インドネシアの東
ブログ仲間の啓花さんから、キリ番の111111を踏んだというので従兄の瀬川庄仁氏の本「ヌサトゥンガラ島々紀行」を貰った。「えー ドコー」 という感じだが読み出すと面白い、地球上で日本人を見ない秘境は未だあったようだ。インドネシアは約13,500の群島からなる。そのうち6,000の島に人が住んでいる。 バリ島の東に浮かぶロンボク島から、ダラダラッと続く多島海の島々、そこがヌサトゥンガラだ。舌を噛みそうな名前だが、日本語に翻訳すればあっけないほど単純、「東南の島々」という意味である。 ヌサトゥンガラ(全長1200km)を訪れる日本人観光客は、ほとんどいない。乗客が少ないと勝手にフライトをキャンセルしてしまう、我が儘な飛行機。りっぱなホテルもほとんどない。衛生状態も決してよくないから腹をこわす可能性もある。一泊三日の旅をして その足で仕事場に直行するようなタイプの日本人観光客には、いちばん不向きな場所なのかもしれない。 1 バリ島 インドネシアには、「地上最後の楽園」といわれるバリ島や仏教の古代遺跡としてアンコールワットと並び称される「ボルブド ール」の遺跡等があり、観光の対象として魅力のある国である。(日本人を見かけるのはここまで) 2 ロンボク島 古い”バリ”と「気に入った女がいたら、さらってくるんだ」という略奪婚が残っている。 3 スンバワ島 活火山(2950m)のタンポラ山は 元は4200mあったが、1815年の大噴火でその3分の1が吹き飛んでしまったという。1800km離れたジャカルタで大音響が聞こえたそうで、まさに伝説の火山である。 4 コモド島 コモドの火山島には約5,700匹の巨大なトカゲ、コモドオオトカゲが生息している。その独特の風貌と獰猛さからコモド・ドラゴンとも呼ばれるこのトカゲは、この島とインドネシアのいくつかの島にしか生息しておらず、進化論の研究者達の注目の的。 5 フローレス島 2003年にリアン・ブア洞窟で体調 1 m(女性)しかないフローレス原人の発見。約1万8千年前の人類で脳がチンパンジーぐらいだが、火や道具を使っていた。 6 スンバ島 ステゴドンという子象がいた。(体長1m) 7 チモール島 島全体に莫大な富を生み出す白檀に覆われていたため大航海時代から現代に至るまで、ポルトガルとオランダに植民地として収奪され続けてきた悲劇の島である。 8 アロール諸島 15の島に13の民族が暮らす。モコと呼ばれる大昔の青銅の太鼓(100kgを越える物がある)が地域通貨として今も流通している。 9 ソロール諸島 中央に位置するアドナラ島では今も首狩りの風習が残り、実際に行われている。東部のレンバタ島にはマッコウクジラ漁(銛を片手のクジラ狩り)が認められている世界で唯一の村ラマレラがある。 30万人の命を奪ったスマトラ島沖地震の記憶は生々しいが、幸いにも、20世紀にアジア全体を包みこんだ「近代化」という名の大津波は、まだヌサトゥンガラを完全に飲みこんではいない。それは、過去も現在もこの地が先進国から遠く離れた「辺境の地」だったからに違いない。