肝臓病!その食事療法間違っていませんか?[PC]ヾ(-Д-*)ウーン…
肝臓の解毒の仕組みとはどのようになっているのでしょうか?そもそも、人間にとって「毒」とは何なのでしょうか?私たちが「毒」ときいて思い浮かべるのは、インフルエンザウイルスや大腸菌などの細菌だとか、青酸カリや硫化水素などの自殺に使われるもの、身近なところでいえばふぐの毒や水銀などの化学物質が浮かぶかと思いますが、実際「毒」と「薬」の境界線は微妙なところなのです。はっきりした境界線はなく、同じ物質でも少量なら薬になり、多量なら毒になるものもあります。 のどが乾いたときの飲水行動はとてもシンプルな本能行動ですが、一度にバケツ一杯ほどの水を多量摂取すれば、死に至る場合もあります。 つまり、肝臓のとらえかたも同じで、どんなに体に有用な物質でも多量に摂取すれば「毒」になるのです。とくにアルコール、脂質、糖質などにもいえます。自分で適当な量に制限できずに摂取し、肝臓に負担をかけてしまうのは完全に自己責任ですので、肝臓を悪くしてしまう前に(沈黙の臓器なので、自覚症状で気づいたときには手遅れな場合が多いですが)、生活スタイルに気をつけなければなりません。特に、摂取する量は脳の満腹中枢が「慣れ」を獲得しやすいので、悪化すればするほど異常に気づきにくくなります。肝臓の重要な機能のひとつに、「糖新生」があります。これは生物・医学系の分野でよく使われる用語で、体内の糖分が足りないときに、別の物質を分解して糖分だけを抽出することをいいます。 私たちがふだん生活のなかで使う「糖分」というのはどちらかというと曖昧なくくりで、分子構造的にみると「グルコース」や「スクロース」、「デンプン」、「グリコーゲン」などの異種の成分をまとめてそう呼んでいます。脂質のことも混ぜて「糖分をとり過ぎた」といっている方もいますが、それは間違いです。上記の物質を化学的に見れば確かにすべて糖分ですが、「糖新生」という場合はグルコース『ブドウ糖』を指します。「グルコース」は、糖の一種であり、代表的な単糖の一つです。デキストロース (dextrose) とも呼ばれます。人間を含む、動物や植物が活動するためのエネルギーとなる物質の一つです。その理由としては、わたしたちがふだん呼吸やエネルギーの発生、体温の維持などに使っている糖分としてのエネルギー源は、デンプンでもスクロースでもグリコーゲンでもなく、グルコースであり、これが組織や体液にどれほど含まれているか、が私たちの健康状態を一番わかりやすく示してくれる指標にもなるからです。具体的には、血液中に含まれるグルコース濃度を血糖値といい、この値が通常より高くなるか低くなると、臓器や神経がそれを感じ取り、神経伝達物質やホルモンが即座に作用してもとの状態に戻そうとします。グルコースは単糖類であり、糖類の中で一番基本的で、小さいサイズをもっているので細胞膜を通ることもできますし、体液内を自由に動けることで、人間のエネルギー維持の材料となりえています。では、この糖新生はどのような機構で行われているのでしょうか。運動や空腹などで体内の糖が枯渇し、早急にグルコースを生成したい場合、別の物質を分解して取り出す必要があります。基本的に体内では、複数の物質をひとつの物質に合成するときにエネルギーを使い、ばらばらに分解するときにエネルギーを発生させることが多いので、しょっちゅう使う糖類を単糖類であるグルコースにすることで、物質から分解したときに、エネルギーを得ることができ、都合が良いのかもしれません。もし基本糖類がデンプンなどの複雑で高分子の多糖類でしたら、合成する手間がいちいちかかりますし、合成するのにもエネルギーが必要になってしまい、悪循環に陥りますね。 この機構には、いくつもの仲間がいます。今回は、血糖値が低下したときを考えましょう。血糖値の変動とその影響機能性低血糖症の方の血糖値は具体的にどのような状態になっているのでしょうか。その診断に使われる糖負荷検査のグラフを見てみましょう。糖負荷検査とは、空腹時とブドウ糖を摂取した後の血糖値の変動を、時間を追って計測するもので、糖尿病の診断時に2時間かけて行われるものです。正常な方の血糖値は次のような曲線を描きます。 通常食事をすると血糖は上昇し、その後膵臓から分泌されるインスリンの働きにより緩やかに元の値に戻ります。反応性低血糖症の一例です。 食後上昇した血糖値は、インスリンの過剰分泌等により間もなく急降下を始めます。脳は血中のブドウ糖のみをエネルギーとしているので、血糖の急降下は直接その働きに影響を与え、冷静な思考回路を保てなくなります。血糖値70以下より感情的になる、注意力が低下するなどの症状が表れ、低下するに従って倦怠感、無気力、冷や汗、顔面蒼白、頭痛、手の震え、混乱、異常行動へと発展し、40以下では意識障害、昏睡の危険性もあります。身体はこういった危険を回避するため、血糖降下時にはアドレナリン、ノルアドレナリン等の血糖を上げるホルモンを分泌します。これらのホルモンは交感神経を興奮させ、人を「闘争」あるいは「逃避」へと向かわせます。興奮・緊張・怒り・攻撃・不安・過敏等、感情を煽り立てるこれらのホルモンは、生命維持のため自然に備えられているものですが、血糖コントロールが不安定な人は過剰分泌が繰り返されてしまいます。機能性低血糖症が精神症状につながる要因です。 重度の機能性低血糖症の例です。血糖値が乱高下を繰り返しています。こういった方は低血糖による思考能力の低下と頻繁に分泌されるアドレナリン・ノルアドレナリンによる興奮・緊張のせめぎ合いで、感情コントロールが非常に難しくなります。 無反応性低血糖症の例です。血糖値の低下を、膵臓や肝臓、脳の視床下部(感覚の中枢)が感じると、からだはいろいろな臓器やホルモン、自律神経を使って血糖値を上げる作用を起こします。たとえば膵臓のA細胞に含まれるグルカゴンというホルモンは、このような時に肝臓に働くことで、グリコーゲンの分解を促進します。 ただ、グルカゴンは血液中での半減期が約6分と短いため、血糖値上昇には、ほかのホルモン(アドレナリンや糖質コルチコイドなど)や自律神経(交感神経)も関わってきます。● インスリン インスリンは、血液中にブドウ糖が多くなると、余分なブドウ糖を血中から除くように全身の細胞へ指令するために分泌されます。この指令によって、まず、肝臓細胞がブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄えます。次に筋肉細胞がブドウ糖をグリコーゲンに変え、自ら使用する食糧として蓄えます。しかし、これらの収納スペースは限られていて、余ってしまったブドウ糖は際限のない収納スペースを持つ脂肪細胞が一手に引き受けます。ブドウ糖を脂肪に変えて溜めこむのです。こうしてめでたく血糖値は下げられますが、いつも過大に血糖値を上げ続けると、体脂肪は際限なく増加していくのです。 ● グルカゴン グルカゴンは血糖値が下がりすぎると分泌されます。すると、この指令によって肝臓細胞はグリコーゲンをブドウ糖に変えて血中に放出して血糖値を回復させます。しかし、筋肉細胞はグリコーゲンをブドウ糖に変えることができないからブドウ糖を放出しないけど、脂肪細胞は蓄えていた脂肪を血中に放出します。この脂肪は他の細胞がエネルギーとして消費していきます。つまり、体脂肪をエネルギーとして使える状態にするには、グルカゴンを分泌させることによって可能になるわけです。インスリンとグルカゴンの指令によって、各細胞がブドウ糖をとりこんだりグリコーゲンや脂肪に変えたり、再び元に戻すのは、各細胞にある各種の酵素の働きによって行われます。グルカゴンとインスリンは、自律神経のように拮抗的な関係をもっていますが、どちらかが全く含まれない体液はありえないので、お互いの濃度を把握しつつ、脳や神経からの指示を待ってその都度制止し合います。体には有意義で協力的な機構ですが、なんだか仲の悪い(実際は仲が良い)兄弟のイメージと似ています。 グルカゴンの受容体は肝臓の細胞膜にあるので、これに結合することで細胞内のサイクリックAMPというセカンドメッセンジャー濃度が上昇し、この変化がさらに酵素などを活性化させて、必要な機構を遂行することができます。このような血糖値上昇の作用機構には、ほかに糖質コルチコイドや成長ホルモン、アドレナリン、甲状腺ホルモン(チロキシン)、カテコールアミン、交感神経などが協力します。これらのはたらきは、血液中のグルコース濃度をあげることを共通目的とし、たんぱく質からグルコースを抽出したり、グリコーゲン合成を抑制したり、消化管でのグルコース吸収を促進したりなど、さまざまです。 食事をとってから90分は代謝の吸収状態が続き、血糖値は125~145mg/dL(7~8mM)に上昇します。2時間ほどでグルコースが細胞に吸収され始め、血糖値が徐々に下がっていきます。吸収されたグルコースは、一般的に35%が脳や筋肉組織に運ばれ、残りの65%がグリコーゲンとして肝臓に貯蔵されます。そこも飽和すると、脂肪として蓄えられます。これがいわゆる、体脂肪です。 さらに、1、2時間経つと、低血糖に対する防御機構が始まり、ふたたびグルカゴンの出番です。グルカゴンは高血糖作用をもつホルモン群のなかで、群を抜いて強い作用をもっています。グルカゴンは先ほどいった作用機構をどんどん進めるほかに、筋肉でのグリコーゲン分解を行いますが、このとき生成されたグルコースは血液中に放出されるのではなく、組織で分解されることで血糖値上昇をもたらします。肝臓が取り込むアミノ酸も、筋肉由来です。総じて、血糖値は時間の経過とともに変化しやすいのですが、長期の絶食をしても55mg/dL(3mM)以下になることはほとんどありません。肝臓の健康を維持するため、欠かせないのはよい生活習慣ですが、肝臓ケアのポイントは健康な人と肝臓病のある人ではかなり違うので、注意が必要です。1、健康な人はまず、「メタボにならない生活習慣」を心がけることです。食事はバランスよく、適量の食事を適正な時刻に。適度な運動を心がけ、ストレスを発散し、毎年健康診断を受けること。最大のポイントは肥満にならないことです。 肝臓を守るうえで注意したい栄養素はたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなど。たんぱく質は代謝や解毒に必要な酵素のもとになったり、破壊された肝機能の修復に使われるので、不足すると肝機能が落ち、肝細胞が破壊されてしまいます。ただし、肉類には中性脂肪として蓄積しやすい飽和脂肪酸やコレステロールが多いので、魚や大豆製品(植物性たんぱく質)からとるよう心がけます。貝類やたこ、いかに多く含まれるタウリンなどは、肝機能を高めることでも知られています。脂肪は基本的に抑え目に。植物油を使い、中性脂肪を減らすEPA、DHAなどを多く含むまぐろやいわし、さばなど青魚でとるようにします。代謝を助け、肝細胞を修復するビタミン類、ミネラル類もバランスよくとりましょう。2、慢性肝炎や肝硬変と診断された人の場合は正しい最新知識をもつことが大切です。肝臓病には安静がいちばんとされてきましたが、肥満解消のためにも運動は適度に行います。運動で筋肉が増えると、インスリンの働きもよくなって血中の糖質が消費され、肝臓の脂肪も減っていきます。脂肪肝と診断されたら、食生活を見直したり運動不足を解消するなど生活習慣の改善に努めることが大切です。毎日体重を測り、自分の1日の必要エネルギー量を算出します。1日の必要エネルギー量を守れば、必ず標準体重に近づいていきます。「肝臓病の常識」の中には、意外にも間違いや誤解が多いのです。従来、肝臓病の食事療法は「高タンパク、高カロリー食」といわれていましたが、現在では脂肪肝や生活習慣病の合併を防ぐため、「栄養バランスのとれた、適切なエネルギー量の食事」をするようにいわれています。また、肝臓にいいといわれていたしじみ、ほうれん草、レバーなどの食品はいずれもNGです。肝臓病では、これらの食品に多く含まれる鉄分の摂取に注意が必要です。近年、鉄分の多い食品を控えることで肝機能が改善することが多数報告されています。肝臓は鉄を貯蔵する機能もある臓器ですが、肝機能が悪い人では、肝臓に過剰な鉄が蓄積してしまいます。脂肪肝や脂肪性肝炎を発症しいているときも、鉄分は赤血球の形成に必要不可欠であり、不足することで貧血や様々な弊害を引き起こします。そのため鉄分を極度に制限することも体に悪いのです。 鉄分の一日の目標摂取量は6mgであり、あさり100gには7.0gの鉄分が含まれているので一日摂取量を超えます。過剰な鉄は活性酸素を発生させ、周りの細胞や核酸を酸化し、肝機能を障害します。鉄は血液中にヘモグロビンとして含まれていることから、血液を抜き取り、肝臓内の鉄含有量を減らすための瀉血療法(しゃけつりょうほう)という治療法も行われています。私も30代のころ体験したことがありますが、血液はとてもきれいでした。もちろん痛くはありません。貧血の人はやらない方が良いと思います。しかし、血液がドロドロな人は一度試してみる価値はありますよ。く( ̄△ ̄)ノガンバレェェェ!! →こんなにカップの跡がついてしまいます。脂肪肝の検査には、超音波検査(エコー)を行うしかありません。食べ過ぎ気味の人、飲み過ぎ気味の人、脂っこいもの・高カロリーなものが好きな人、お菓子やジュース類の好きな人、ダイエットに励んでいる人などは、定期的にお近くの病院で検査してもらうようにして下さい。鉄分制限のポイントとして、「お茶には鉄分の吸収を邪魔する作用があるので食事と一緒に飲む」、「ビタミンCは鉄分の吸収を助けるため、果物は食事とは分けて摂る」、などがあります。休肝日をつくり、ダイエットもほどほどにアルコールは肝臓で分解されますが、この時に必要な酵素の働きは遺伝的に人種や個人によって差があります。日本人の45パーセントはこの酵素の働きが弱く、日本人の10パーセントはこの酵素がまったく働きません。そのため、日本人はアルコールに弱い人が多く、まったく飲めない人も存在します。多くの日本人は肝臓病になるほど飲めないので、アルコールが原因で肝臓病になる人は実際には多くありません。一方、欧米人はアルコールに強いためにかえって飲み過ぎてしまい、肝臓病になる人の8割がアルコールの飲み過ぎが原因といわれます。 飲めるからといって、肝臓が強いというわけではありません。お酒の強い人も、まったくお酒を飲まない日、いわゆる休肝日を作って肝臓をいたわりましょう。ダイエットで脂肪肝になることもあります。肝細胞に備蓄された中性脂肪はたんぱく質と結びついて血液中に送り出されますが、極端なダイエットで体内のエネルギー源(糖質)が不足すると、体は筋肉に蓄えたたんぱく質を糖質に変えて使い始めます。結果、中性脂肪がパートナー(たんぱく質)を確保できずに肝臓に残ってしまうのです。閑話休題:週1~2回の運動でも十分かもしれない?週1~2回の運動でも、全死因・心血管疾患・がんによる死亡リスクを低減するのに十分かもしれないという、英国ラフバラ大学のGary O'Donovan氏らの研究結果が報告された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年1月9日号に掲載。本研究はサーベイランス研究のプール分析で、イングランドとスコットランドの健康調査において回答した40歳以上の男女のデータを分析した。データは1994~2012年に収集し、2016年に分析した。運動パターンは、自己申告による運動の強度と頻度によって以下のように分類した。「運動していない」:中程度の運動も強い運動もしていない「運動が不十分」:中程度の運動が週150分未満かつ強い運動が週75分未満、さらに頻度により分類「週末戦士」:週1~2回の運動、中程度の運動を週150分以上または強い運動を75分以上「定期的に運動」:週3回以上の運動、中程度の運動を週150分以上または強い運動を75分以上 主な結果は以下のとおり。ハザード比とは、臨床試験などで使用する相対的な危険度を客観的に比較する方法・回答者6万3,591人(男性45.9%、平均年齢[SD]:58.6[11.9]歳)のうち、フォローアップ期間中に計8,802人が死亡した。このうち、心血管疾患による死亡が2,780人、がんによる死亡が2,526人であった。・全死因死亡のハザード比(HR)は、「運動していない」群と比較して、「運動が不十分、週1~2回」の群で0.66(95%CI:0.62~0.72)、「週末戦士」群で0.70(同:0.60~0.82)、「定期的に運動」している群で0.65(同:0.58~0.73)であった。・心血管疾患による死亡のHRは、「運動していない」群と比較して、「運動が不十分、週1~2回」の群で0.60(95%CI:0.52~0.69)、「週末戦士」群で0.60(同:0.45~0.82)、「定期的に運動」している群で0.59(同:0.48~0.73)であった。・がんによる死亡のHRは、「運動していない」群と比較して、「運動が不十分、週1~2回」の群で0.83(95%CI:0.73~0.94)、「週末戦士」群で0.82(同:0.63~1.06)、「定期的に運動」している群で0.79(同:0.66~0.94)であった。健康法 ブログランキングへ