中学一年の秋のある日曜日、近くの小中学生たちと山に棲家(すみか)(潅木、竹や
笹などを使った芝小屋)作りをしようということになり、朝から山に入った。
昼になり、いったん我が家へ帰宅。よほどお腹がすいたのか昼ご飯を5杯食べたこと
を記憶している。確か、オカズは冷奴であった。
翌日、目が覚めると身体がふらつき、お腹がやや張ったような感じがした。それでも学
校へ行った。
当時、毎週月曜日には全校生徒が校庭に出て朝礼が行われていた。暑い日の朝礼
では、倒れる人が毎回のように数人出て保健室に運ばれていた。倒れるのは男子より
女子のほうが多かったと記憶している。
さて、その日の朝礼の途中から、プーッ、プーッと私のお尻からオナラが出始めた
のである。止めようとしても私の意に反してお尻からはオナラの連発であった。
前日の昼の食べ過ぎがいけなかったのだ。反省、時すでに遅し。
先生がマイクで話しているときには、私のオナラの音は若干かき消されたが、少し
だけでも静かになると数メートル四方の生徒には聴こえるくらいのオナラの音量であ
った。
朝礼が終わり教室へ引き上げる途中、「いやぁねえ、誰だったの」と、私のことを言
った女生徒がいたが、誰一人、○○君だよと告げる人はいなかった。(影では私の名
前を挙げて笑っていたかも知れないが・・・・)
私は一日中、恥ずかしかった。でも翌日、昨日のことは月日が経てば、いつの日か
みんな忘れてくれるだろうと思い登校した。思ったとおりに私が気にするほどのことは
なく、幸いに、その後も話題となることはなかった。
でも、今の時代は、ひょっとしたらオナラッペくらいの仇名が付けられイジメの対象と
なっているかも知れない。
オリンピック開催の年に行われる中学時代の同窓会、誰一人私の朝礼放屁連発
事件を記憶している者がなく楽しく参加させてもらっている。
この事件のことを姪ほどに年の離れた同じ職場の女性に話したところ思いきり笑っ
てくれました。