10数年前、私は経理部で給与の振込み、所得税の納付、取引先への支払い、収入金
の本社への送付など資金関係業務の仕事をしていた。
その時に一緒に働いたO女史。私とは叔父と姪の間くらいに歳が離れている。
そのO女史のご主人は転勤族で現在、北陸地方に住んでいて、O女史から今年も先日
帰省していているというメールが入っていた。
3年前の帰省は生まれて月日の浅い長女を連れてきた。その翌年も会った。そして
一昨日の久しぶりの再会は幼子の口から出る滑らかな言葉に驚かされた。
ランチを食べ終えると、「今、娘は尻取りに興味があるの」と言った。
そこで始まったO女史の娘さんと私との尻取りゲーム。「うさぎ」「ギター」・・・と次から
次へと3歳とは思えない単語を知っていた。
ランチを終え店の外に出ると3歳の幼子は私の手を握ってきた。そしてもう一方
はお母さんの手を握っていた。
「俺、ちょっと、恥ずかしいなぁ」「いいじゃないですか」とO女史。そしてさらに
「ここに会社の人が来て手を繋いでいるところを見たらどう思うでしょうね」と。
まだ、孫がいない私にとってはちょっと恥ずかしい一幕であった。
それにしても月日の流れというもの早いものだ、O女史は独身時代に、「この会社の
人とは結婚は考えられません」と言って、ほんとに結婚しないのではないかと心配
させたが、結局は同期入社の男性と結婚した。
ゴールして6年近く、帰省のたびに愛娘を連れて訪ねてくれる。あり難いことである。