夕暮れ時の自宅近くのスーパーの駐車場、「やきとり」と描かれた赤提灯を
ぶら下げた車が、いい香りと煙りをそこらじゅうに撒き散らして焼き鳥を
売りに来ている。いい香りと煙りを撒き散らしているのは、ご夫婦と思われる
お二人である。
もう数年前からの光景だが、ここの焼き鳥を買ったのは一、二度ある
だろうか。殆ど利用しない焼き鳥の屋台でも、その車が来ない日が
二日も続くとちょっと心配になる。
ご夫婦のどちらかが体調でも崩されたのではないかと。焼き鳥を買う
こともないので「二日間お休みされたのはなぜですか?」と、尋ねること
はない。
ひょっとしたらお二人の単なる休日かも知れないが、いつもの光景が
ないと妙に気になる私である。
このように、自分に直接関係がない、ちょっと気がかりなことに、しばしば
出くわすときがある。その気がかりなことが明らかになることは、あまりない。