一昨日の土曜日の夜、大雨の中、4年ぶりに中学時代の同窓会が開かれた。
7クラス300人以上いたが、出席者は40数名。参加者は最初のときこそ80名を越したことも
あったが、開催の度に少なくなってきているようである。
参加できない理由は「孫ができ訪ねてくるので来れない」というのが多かったと幹事から報告
があった。
新たな訃報も聞き、亡くなった方には名簿に薄く網掛けがしてあった。それが悲しかった。
そんな中、顔を見てもどうしても名前を思い出せない、男性と女性が一人ずついた。
その二人は私のことを覚えていてくれていたが、二人とも初めての同窓会の参加であり、
40年を超えた歳月の流れは私の記憶をおぼろげなものにしていた。
名前を思い出せなかった男性は話しているうちにY君とわかった。Y君はカクテルバーの
バーテンダーではないかと思わせるくらい髪をバシッと極め、黒っぽいスーツが似合っていた。
どうみても40代半ばとしか見えなかった。
「仕事は何をやっているの」と尋ねたがはっきりとした答えは帰ってこなかった。
Y君は私と同じ小学校ではなく隣の学校の出身。彼の住んでいたところは人里離れた山奥で
あった。近くには同じく同級生のS君、M君がいた。そのS君とM君、30歳前後に二人とも自ら
命を絶った。中学時代は二人とも静かな少年であった。その隣家に住むY君、彼は活き活きとして
参加者の男性群の中では一際目立っていた。
S君とM君が生きていれば幼い頃から遊んでいたであろうY君の変貌ぶりをどのように見たこと
だろうかと思った。