熊本市は薬園町というところにある茶房「玉蘭」。大きな看板も出ていないため、
車で行くとなかなか分かりづらい。
国道3号線からやや住宅街に入ると遠い遠い昔を思わせる玄関が出迎えてくれる。
築108年を迎えるという建物の室内には畳の上にテーブルと椅子が並ぶ。
ここではランチを頂き、お茶も頂く。建具、調度品、長年の月日の流れが作った欄間の光沢。
何もかもが静かで落ち着いた佇まいを醸し出してくれる。
今日は寒かったので温かい中国茶(桃の紅茶)を頂いた。ほんのりと漂う桃茶の香りが
日頃の溜まったストレスを鎮めてくれた。
今日は3時前に玉蘭へ一人で出かけた。お客さんは30歳前後と思われる女性四人組と
初老の男性一人。お店の人に尋ねると圧倒的に女性客が多いとのことであった。
初老の男性は、8人が一同に座れる大きなテーブルを前にして座っていた。
初めてお会いする方なのだが、「まあ、ここに座りなっせ」と私に自分の横に座るように
勧めた。
その人は書道家で弟子の若い女性を卒業させて寂しさを紛らわしに来たとのことであった。
30分ほどで失礼しようと思ったのだが、初老の男性と会話が弾み1時間以上も居た。
また、休日には心を癒しに出かけようと思っている。日常の自分を静かに一人で振り返るの
には最高のお店である。