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カテゴリ:日記
今から50年ほど前の出来事です。 秋の夜長になるこの頃になると、毎年、 母の「今からこうぎんへ行ってくる」という言葉をなぜか思い出すのです。 こうぎんは多分、講銀と書くのではないかと思うのですが、 近所の奥さんたち10人くらいが集まり、毎月、数千円のお金を拠出して まとまったお金を受取りたい月を申し出て、その月に受け取るというシステムでは 座元は10軒の家で持ち回る(講銀参加者が10人の場合)ことになっており、 お菓子とお茶を出します。 講銀はまとまったお金を手にするということだけが目的ではなく、 両親、義父母、夫、子供たちのこと、地域のこと、日常の出来事のことなどの 情報交換の場、また、時には悩みや愚痴を聞いて貰えるという 奥さんたちの大切な社交場でもあったようです。 母達の講銀はいつの頃から始まり、いつ最後を迎えたのかわかりませんが、 「今から、こうぎんへ行ってくる」と言って出かける母の顔はどこか嬉しそうで、 その声も弾んでいたことを記憶しています。 昨年、亡くなった母、生きているときに「こうぎん」があの時代に果たしていた 役割というものは何だったのか訊いておけばよかったなと、今、悔やんでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.03.26 06:13:54
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