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カテゴリ:日記
夜空を見上げるとこうこうと満月の光が照らしていました。 この季節、そう、十三夜という風習があったなぁと思い出されました。 今年の十三夜は10月27日だったとのこと、もう過ぎてしまいましたが、 是から先は私が幼い頃、故郷で行われていたときの十三夜の思い出です。
子供たちがリヤカーを引っ張って米を作っているあるお宅に伺い、 稲藁を貰って回ります。 十三夜当日の夕方、地区の長老の皆さん数名が寄ってきて綱を編み始めます。 暗くなり、藁を丸く敷き詰め、敷き詰められた藁の真ん中に綱をトグロ状に巻きます。 トグロの真ん中は人が入れるように空けておきます。 トグロの中には満13歳になった男の子たちが入ります。 そして、男の子たちは十三夜の満月に向かって何かを唱え (何を唱えていたのか覚えていません)てトグロ状の真ん中から飛び出します。 素早く飛び出さないと大事に至ります。 それは、そのあと間髪も入れずに綱引きが始まるからです。 綱引きが終わったあとは綱で丸く敷き詰められた藁を囲み土俵を作ります。 そこで誰が一番強いか競う相撲大会が始まります。 相撲で誰かに投げ飛ばされ、そして感じた、 その年の脱穀されたばかりの新しい藁の心地よい香りが思い出されます。 相撲大会が終わると賞品を各自それぞれもらって解散。 少しばかり冷え込んだ夜、澄み切った空気、 こうこうと照らされた満月の下での幼い頃の思い出です。
今、この風習がまだ続いていて欲しいと思っていますが、 多分、藁で作った綱は作られていないだろうと想像しています。 そう思うのは稲作農家がなくなったこと、 そして、綱を編める人たちが亡くなってしまったからです。 幼い頃の十三夜、ゆったりと時が流れていた時代の思い出を いつの日か息子二人に伝えたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.11.02 19:06:09
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