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週末ランナーのとっとこ歳時記

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2009.10.11
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カテゴリ:カテゴリ未分類
久々の更新、ハセツネ(日本山岳耐久レース)初参戦記です。

コース概要については公式HP→ http://www.hasetsune.com/71k_course.html


前日は立川のホテルに投宿。当日朝9時過ぎの武蔵五日市行に乗ると、参加者らしき乗客が多く、出足が早いことに驚く。武蔵五日市駅に着くと急いで会場へ向い、本会場の中学校ではなくまだ空いていそうな隣の小学校の体育館へ。しかし、すでに多くの先客で埋め尽くされており、入口から少し入ったところに何とか横になれるほどのスペースを確保するのがやっとの状況であった。

10時になって受付を済ませ、おもむろに用意にかかる。ジョグノートでリンクをいただいているミカンさんがそろそろ着かれる頃かとメールを送るとすぐに返事が。準備をするうちミカンさんの方から声をかけていただき、しばし歓談。ランニングを始めて以降、ミカンさんのブログをよく読ませていただき、そこからウルトラやトレイルランに関心を持つようになったことがあり、ご本人にお会いできて今回は本当にうれしかった。

12時半からは開会式、スタートに備え先にトイレに向かうが、当然ながら相当な列ができている。人数そのものよりもトイレ自体の数がとても少ない。小学校の方は校庭にわずか2つの仮設トイレ、それも朝着いた頃はOKだったのに、校庭でやっていた少年サッカーの父兄からクレームが出たのか、使用禁止になっていた。長丁場だし、山の中に入ればいくらでも、ということかもしれないが、やはり何とかしてほしいところ(なお、コースマップにはトイレの位置は明示されている、念のため)。

中学校の校庭の片隅のわずかひとつのトイレの前の行列に並びながら開会式を観る。有名人のゲストはないものの、御岳神社の神主さんの選手宣誓や前年優勝者の山本選手のあいさつはなかなかおもしろく、なごやかな雰囲気で、これからキツいレースが始まるという感じはしない。

スタート前には目標時間別のプラカードの後ろに入るように促されるが、何か10時間のところの人数が妙に多い感じ... 粉飾を許さない私は謙虚に12時間の後ろの方にもぐり込む(すぐ後ろは16時間)。

今回は2回に分けて行った試走時の感じや自分のトレイルでの平均的なスピードから時速5キロ(キロ12分)を平均として、中盤の3つのピーク越えではそれよりもペースは落ちるとして、第3関門以降の金比羅尾根で取り返し、全体を14時間でまとめたいというプラン、昨年だと大体500位くらいに相当するタイム、さてうまくいくかどうか。


★スタート 五日市中学校(標高200m、午後1時)

ハセツネスタート

午後1時スタート、ゲートをくぐってさっそく結構なペースで走り始める。トレイルに入ると渋滞するのでそこまでのポジションが少なくとも第1関門くらいまでの時間を決めてしまうことから、できるだけ前に出ておきたい。しかし、秋川にかかる小和田橋を渡り、廣徳寺の横からトレイルに入るとさっそく渋滞で、時に動かなくなることも。そこを抜けて変電所横からは再び舗装路、ここから今熊神社までも足を残すも何もおかまいなしに走った。

今熊神社横の石段からはいよいよ本格的なトレイルに。登りは渋滞でなかなか進まない。ここから入山峠、市道山、醍醐丸あたりまではのこぎりの刃のような直登下が続くキツい道で、春の30Kの時には度々足が攣り、7月の1回目の試走時でもかなり堪えたところであったが、今回は混雑してペースが遅いのであまり足を使うことはない。時間は気になるものの、第1関門以降が本番と考えて無理せず流れに乗って行くことにし、一時はうまく美女ランナーの後という好位置を得るなどそれなりに順調な滑り出し(しかし長くは続かず…)。

予備関門の入山峠(7km)ではいったん舗装路に出て、再びトレイルに入るには道の脇の細い石段を登らなければならないが、ここで大渋滞となり、まるで堂島ロールを買うかのごとくの長い行列の順番待ち。しかし、ここを抜けるとランナーの集団も少しほぐれてくる。

醍醐丸(15km)ではバットマンの仮装の人が大声で応援してくれていた(後からミカンさんのご友人と知る)。その先も連行峰、生藤山、熊倉山とピークが続く。何とか日のあるうちに第1関門に着きたいなぁと思いつつ走るうちに、何でもない平坦なところで派手に転んでしまう。木の根が地面に多く出ており、何百人も通過した後であるため、それらの上に湿った土が付いて見えにくくなっているうえ、滑りやすい。後ろの人に少し笑われて心はちょっと傷ついたが(ま、逆の立場だったら同じだっただろう)、体の方はCW-Xをはいていたおかげでほとんどダメージはなく、気を取り直して先に進む。

ハセツネCP1以前


★第1関門 浅間峠(22.66km、標高860m、午後5時30分)

最後はハンドライトを取り出したものの、まだわずかに明るさの残るうちに第1関門の浅間(せんげん)峠に到着。ここまで4時間半、渋滞はあったが予定通り時速5キロペースで来ることができた。

狭い鞍部は大会関係者と休息をとるランナーでごった返していたが、何とか見つけたブルーシートのわずかな空間に腰をおろして、まずおにぎり1個を食べ、その後ヘッドランプを装着するなど夜間走行の用意をする。ここでの休憩時間は12分、係の人たちの声援に送られて、中盤戦に突入。

試走時には、この先三頭山の登りにかかるまでは、多少のアップダウンはあるものの、第1関門までよりはゆるやかであった印象。ミカンさんによれば、ここから先は前後に誰もいないひとり旅になることがありますよ、とのことだったが、第1関門までに比べると確かに減ってはいるものの、ランナーが途絶えることはなく、4~5人のグループを形成して走ることが多くなる。前を見ても後ろを見ても、真っ暗な中にLEDのヘッドランプの列が続き、その光そのものが何か生き物のように感じられた。

笹尾根の道をしだいに高度を上げながら進むうち、第1回試走時の終点であった西原峠(1,158m)を通過。この先いったん少し下ってからコース上最大のピークである三頭山(みとさん、1,527m)への登りにかかる。2回目の試走の時にはこの登りはスタートしてすぐであったのであまりキツいという印象をもっていなかったが、さすがにスタートから通しで来るとかなり堪えた。おまけにスタート時に1.5リットルの薄めたアミノバリューをハイドレーションに入れてきていたが、もう結構軽くなってきており、水切れが心配になってくる。

あえぎながらも何とか休むことなく午後8時36分、三頭山の山頂に到着。もうトップはそろそろゴールしている時間である。5分ほど休んだが、動きを止めるとすぐに寒さに包まれる。やはり秋の1,500mの高地、それも夜なのだ。

山頂からは鞘口峠への標高差400mの激下り、急勾配で滑りやすいところが多く、後半はつづれ折りが延々と続く。やっとこさ下り切った鞍部からすぐまた激登りが始まる。後で知ったが、鏑木毅さんがここで応援していたらしい。

その先切り立った崖の巻き道を冷や冷やしながら通過するうち、またしても転倒。コロリと一回転して、危うく崖下に転がり落ちる寸前で何とか止まったが、今度ばかりはさすがに後ろの人は真剣に心配してくれた。

舗装路である奥多摩周遊道路に出てほっと一息、もう第2関門も近い。「星がきれいやなぁ」という関西弁の声に思わず空を見上げるが、よくわからなかったのでヘッドランプを消すと、確かに美しい夜空。今年は昨年のように霧もなく、気象条件としては恵まれている方だろう。声の主である年配の方と関門まで二人で進む。ひとりきりではないが、それでも前後に全く明りがない状況、次第にハセツネらしくなってきたというところか(どこが?)。


(2)に続く







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Last updated  2009.10.18 22:29:49
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