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恋する着物生活

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きものせいかつコンシェルジュ ともみ

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2005.05.07
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カテゴリ:きものとわたし
「おばあちゃんの贈り物」(4/30)で仕立てあがった着物をもって、入院先の病院へ行ってきました。

織りも染めも、産地も不明のグレーと白の着尺は、こざっぱりとした単衣に仕上がりました。 引き取りにいった日のこと。 呉服屋のUママも「地味でかっこよく着物を着たい」わたしの嗜好を知ってのこと、「これ、お似合いよ」とのせてくれた。 今日は羽織るには寒いので、たとう紙に入れて病院へ運ぶ。 

病室へ入ります。 前回は昏睡状態だった。 祖母の意識は戻ったり、消えたりの繰り返し、と母から聞いていたので、心中ドキドキもの。 老化で衰弱が進み、身体機能が悪化し昏睡状態だったけれど、認知症も入っているで「人」や「物」の判断もつかないことがある。母は「娘の私のことだって、よくわかっていないよ。」と。 わたしのこと、わかってくれるかしら・・・ドキドキ、ドキドキ。

叔父夫婦が見舞いにきていました。 祖母は目覚めています。 
わたしの顔をみる。 とっても嬉しそうな顔をしている!
「ともちゃん、ありがと・・・」 病床の祖母の一言。 
わたしのことは、分かってくれた! 憶えてくれていたのです。 ウレシイ(涙)

「オフクロ、俺たちのこと、分かっているんだか、いないんだかなのに、ともみちゃんのことは、分かるんだなぁ~」と叔父に妙に関心する。 3人で笑う。 叔母のことは「名前も定かでない息子の嫁」になっちゃったらしい。
祖母は声を発して理解できる限りはしゃべるけれど、耳が聴こえなくなっていた。 本人が「聴こえないの。(質問に対し)ノーコメント」なんて言う。 なぜか英語が会話に入るので、自然と笑みが生まれる。

そうそう、肝心の着物、と思いゴソゴソ。 不思議している叔父夫婦にこの着物の経緯を説明し、広げておばちゃんに見せると・・・

「着物、買ったの?」 

ズル。 一同ずっこけました!!

「おばあちゃ~ん。 そ、そうね。 (^^ゞ (買ったことにしておこう) もうちょっと、暖かくなったら着てくるからね。 またその時、説明するからね。」 とわたし。

単衣を着れるような天候の早い到来を願いつつ、内心、ただでさえ「洋服姿とのギャップ」がすごいと言われるわたしの「着物姿の孫」をみた、祖母に「あの~、ど、どちらさまでしょうか?」といわれちゃったら、どーしましょ、と心配してマス。

回復した祖母に嬉しく思い、涙がこぼれた。 なのに、なぜか笑いに誘われ、いろいろな心情が入り混じったひとときでした。





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Last updated  2005.05.16 15:25:35
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