夫の会社で不幸があり、
週末は一緒に出かけられないなと思っていたのですが。
ましてや一人で遊びに出るなんて申し訳なく、
日曜日は家の大掃除を考えていたのですが。
朝から好天気。
窓から差し込む陽の光を浴びたら我慢できる訳がない。
夕方には戻るからゴメンネと、夫とフェレっ子に謝り家を飛び出しました。
八王子いちょう祭り。
今年は20号のいちょう並木が整備されて80周年なのだそうです。
大正天皇が崩御、その後昭和2年に多摩御陵が設営された際に植えられた沢山のいちょうの木。
2週間前に高尾を訪れたときに「きっと又来よう」と考えていました。
いちょう祭りへ出かけるかどうかは決めていなかったけれど、
オリエンテーリングもあるのでこの機会に。
豊田駅から2駅の「西八王子駅」で下車しました。
改札を出るとすぐにオリエンテーリング用の「通行手形」が販売されていました。
ひとつ600円。なかなか高いけど記念にと思って購入。
追分町から駒木野の小仏関所まで12箇所の関所が設けられていて、手形に焼印を押してもらえます。
全てクリアすれば「完歩証」がもらえるというので喜んで参加。
約8000歩だそうです。
手形を購入した際、おじさんが「これおまけ。良く廻るよ」と木製のコマをくれました。
嬉しいおみやげです。
私は追分町からスタート。裏高尾を目指します。
スタートから少しの地点。
なかなかいい色。
人物が写っていませんが、実際には沿道は人で溢れかえっていました。
通りに面したお店は当然ですが、普通の民家まで門の前で商売していました。
UFOキャッチャーで獲ったようなぬいぐるみとか古着など、
バザー感覚で出店していました。
道端では小学生男子3人組がポケモンカードを売っていたし。
小遣い狙いでしょうけど売れるとは思えません。
それぞれの関所は自治会が運営しているらしく、
テントの下で売られる焼きそばやら焼き鳥は比較的良心的な値段でした。
焼印を押してくれるのは殆どがおじいちゃん。
はつらつとした姿で「行ってらっしゃい」と声をかけてくれるので、
一人で歩いていた私は歩が軽くなりました。
7つの関所を巡った後、多摩御陵の参道まで来たのでお墓まで歩く事にしました。
この辺りは祭りの本部が近く、イベント会場も多いので最も混みあう場所。
南浅川橋は人も車もいっぱい。
橋の上から様子を窺う。
何のイベントをしているのか分からないけれど、とにかく混みあっていました。
そんな中、御陵へ向かう人はあまりいませんでした。
ケヤキ並木も2週間前と違います。
ところどころにベンチがあるので、座って一休みしてから武蔵野陵へ。
関所はあと半分の6箇所です。
先日、御陵内にある小さな池のモミジがほんの少しだけ色づいていました。
今日、そのモミジの木は立派に色づいていました。
比較してみましょう。
→
見事に変わってくれたのですが、
実は周辺の木々が枯れ気味だったので残念でした。
「近くから見るとアレだから、遠くからにしよう」
と言う家族も。
杉並木は今日も美しく。
「御陵界隈はお祭りで賑やかですよ」と
昭和天皇にお話してきました。
再度20号へ戻って関所巡り。
熊野神社境内の「原関所」近く交差点の歩道橋上から。
カーブになっているのも美しいです。
全て黄色いのではなく、木によってかなり差があります。
全て青々とした木も何本かありました。
歩道橋横のは半々。
下を覗くアングルも素敵です。
高尾駅を過ぎるとイチョウ並木はなくなります。
行き交う人も少なくなります。
しかし残す関所はあと3つ。
ゴールの関所のひとつ手前。
関所は地元の人びとが酒をあおって愉しそうでした。
しかもここは「北酒場」(※カラオケバージョン)が大音量で流れる、
ローカル感たっぷりの魅力的な関所でした。
この次の小仏関所で私は12箇所完了。
でもやっぱりここまで来たら湯の花トンネル慰霊碑へ。
途中、小川にかかる「梅郷橋」の近くで美しい一本。
そこだけ浮き上がったような赤。
本当に綺麗で、駆け寄って眺めました。
その後、民家のお庭でも燃えていました。
慰霊碑に手を合わせた後、湯の花トンネルの手前でも。
もみじの葉はかわいい。
線路を渡って高速道路の下を歩きました。
遠くにはマンションも。
コンクリートの中で逞しく、そこここに姿を見せてくれたのはコムラサキ。
高尾駅周辺へ戻ってきた頃には午後2時をまわっていました。
そろそろふくらはぎが張ってきます・・・
お土産&成果。
天狗あんぱん。
高尾駅前の神戸屋で売っていました。一個150円。
あんぱんと言ってもあんぱんの大きさではなく、
大きなお饅頭といった感じです。
「高尾の新名物!」と大々的に売り出されていました。
先ほど口にしましたが、
特筆すべきが無いので新名物として定着するかどうか。
大きなゆずが3個で100円。
裏高尾を歩いていたとき、おばさんがひっそりと売っていました。
人通りも少ない場所で気の毒になり買うことにしました。
「さっき、採ってきたばかりなの。大きいでしょう」と嬉しそう。
道中邪魔になるのにゴメンネ、と気にかけてくれました。
採りたては良い香り。リュックは途端に柚子のにおい袋に。
私もちょっと幸せな気持ちになって、
「柚子浸しかな?柚庵焼きかな?」とか
「ちょっと早いけど、ゆず湯かな」とか。
いちょう祭りパンフレットと歩きの成果。
2007年秋の思い出になりました。
大切にとっておこう。
来年も是非訪れたい。
年毎に違う、並木道の表情を見てみたい。
きっとそう思う人がたくさんいるから続く「いちょう祭り」なのでしょうね。